「固定残業制」の導入でダラダラ残業を解消!
2014年11月13日
はじめまして。大阪の社労士で森啓治郎と申します。よろしくお願い申し上げます。
さて、10月は「固定残業制」の相談が増えました。
固定残業制では、雇用契約の際「月給は○○円、残業代手当は定額で××円」とし、例えば「定額残業代手当は、30時間分の時間外労働割増賃金として支給する」と取り決めます。
残業代があらかじめいくらと決められるこの制度固定残業制は、いろいろ賛否両論ではありますが、私はオススメの制度と考えています。
なぜなら、残業代の未払いが多い中、正しくこの制度を導入することで、きちんとした時間管理の意識ができるからです。そもそも人件費をある程度一定に保てるというメリットが大きいのですが、それ以外に労働時間に関して公平性を保てるというメリットもあります。
例えば、能力が高いために生産性が高く残業をせず帰宅する社員Aと、能力が低いために長時間労働をする社員Bを比較した場合、賃金が高いのは後者Bになります。これに定額残業制度を導入すると、B社員が残業するとしても、残業代が賃金に含まれているので賃金は変わらないとなり、業務効率化を意識するようになります。いわゆる「ダラダラ残業」が解消できるのです。
しかし、制度は導入したものの不備のあるケースが散見されるのも事実であり、これを解消しなければ依然残業代を請求されるリスクは残ります。よくあるのが、固定部分を超えても残業代を払っていないケースです。そもそも労働時間の管理ができていないのではないでしょうか?
まずは「雇用契約書に固定の残業時間が明記されているか?」、次に「固定の範囲を超えた場合、超えた分を支給しているか」に注意しましょう。
「固定部分の単価が最低賃金を下回っていないか? 」「計算方法が正しいか?」も注意点です。そうすればいわゆる「ダラダラ残業」の解消策になります!
残業代に関して従業員から不満の声が聞えてくるようなら、みなさんの会社も一度導入を検討してみてはいかがでしょうか。