オフィス街or住宅街、ドーナツを販売するならどっちがお得?
2015年01月26日
損得学のススメ(5)です。
今回は、同じ性能で製品を生産しても、売る時の状況によって収益や損失が異なる場合をいくつかの例題から解説します。
【前提】
凸凹テックでは、画期的なドーナツ製造機を開発しました。今後、大手コンビニをターゲットに販促を進めていくつもりですが、まずは、テスト販売によるマーケティング活動をはじめたところです。
販売場所は、オフィス街のワゴン車と住宅街の商店の2か所での販売で、11時から14時の3時間限定、10種類のドーナツを1個100円で販売することになりました。
スタート3日で1日当たりの売り上げは、オフィス街では150個、住宅街では90個です。テスト販売の期間中は同程度の売り上げが見込まれます。生産能力は1時間あたり50個なので、オフィス街では作り置きせず、住宅街では10個程度の作り置きをすることにしました。
1個あたりの収益・費用の内訳
【例題1:トラブルによる損失は?】
ある日、停電のために10個作り損ねてしまいました。オフィス街と住宅街でそれぞれ生じる損はいくらになりますか。
【例題2:宣伝効果による利益アップは?】
住宅街の店の売上アップを図るため、ある日、店頭で呼び込みをしたところ、スーパーの買い物客が立寄り、合計50個のドーナツが売れました。宣伝活動による効果(利益アップ)はいくらになりますか。
【例題3:電話対応しているときに客を逃したら?】
住宅街の店で、店員がお客さまから5個の注文を受け、用意しているときに携帯が鳴り、その対応をしました。待っていたお客さまは待ちきれずドーナツを買わずに店を出ていきました。損はいくらになりますか。
【考え方】
以下の基本原則に沿ってそれぞれの例題を考えてみましょう。
【損得判断の基本原則】
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第1原則 ⇨ 比較の対象を明確にする
第2原則 ⇨ 収益の違い − 費用の違い = 利益の違い
比較の対象の間で、お金の流れに着目し、
収益の違いと費用の違いをそれぞれ総額でとらええる
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では、次ページから解説していきます。