第3回 これからの経営者が活用したい「少短」とは何か
2022年11月25日
会社で加入する保険を検討してみると、保障が5,000万円にも1億円にもなる規模のものは必要ないかもしれません。自分の会社にとって必要な部分にピンポイントで加入することはできないかを考えたときに、元来あったニーズに応えられる保険が少短(少額短期保険)です。歴史の浅い、新しい概念の保険です。
少短の特徴
少短は一定の事業規模の範囲で、保険金額が1,000万円以下に定められているものを指します。財務省に登録した少額短期保険事業者が販売している保険で、保障範囲が1年、または2年以内の短期間であることが特徴です。保険会社は生命保険や損害保険など、従来の保険を販売している会社とは別に会社をつくり、少短の販売を開始しました。
また最近はインターネットを活用した保険代理店も、次々と少短の販売を開始しています。
なぜ従来の保険ではなく少短なのか
では、なぜ従来の保険ではなく、少短なのでしょうか。その背景には、生命保険がさまざまな保障内容や特約を含めたセット販売をメインとする傾向にあり、「あれもこれも」と大げさになってしまいがちだからです。保険の検討をしたことのある経営者なら、〇〇も必要、△△も必要という営業トークを受けたことがあるでしょう。保険は「まさかの事態」に備えるものであり、保険に入らない場合、暮らしのリスクがゼロである保障はなく、ある日大きな不安を抱えることもあるかもしれません。
ただ、毎月会社から大切なお金が保険料に投入されていくのも事実です。前回の記事で、保険料を税計算の費用扱いにできる損金について説明しましたが、損金として計上しても現時点のキャッシュを支払い続けることは事実です。そこが何より、保険検討の最も難しい部分です。保険には加入しなければならない、でも最低限でいいというニーズに応えるのが、少短の役割です。
経営者はどのような少短保険を検討するといいのか
それでは具体的に、経営者はどのような少短保険を検討するといいのでしょうか。
・リースに限定した自動車保険
中小企業は社用車を使用することも多いですが、自社で購入する場合と同様、活用するのがリース車両です。ここで紹介するリペア保険は、リース車両を対象とした自動車保険です。通常の自動車保険は自賠責保険に任意保険を組み合わせます。リペア保険は保険料5万円からのコースがあり、保険料負担を抑制できるほか、対人対物賠償を保障内容から外し、車両補償のみに限定してコストダウンを実現しています。また安全運転・エコ運転により保険料をより逓減させることも可能です。