決算月に忘れずにしておいてほしいこと~消費税の計算方法の確認~

2015年03月23日

3月ももうすぐ終わりです。みなさんは3月と聞くとどのようなイメージを持つでしょうか。
私は3月というと「決算」という2文字が浮かびます。
 
もちろん、実際にはすべての法人が3月決算というわけではありません。何月決算にするかは任意に決められます。
しかし、国税庁の統計によりますと平成25年度の申告法人数は全部で2,609,368社、そのうち507,523社が3月決算なのです。5社に1社が3月決算という計算になります。一番少ない11月決算の86,013社に比べますと約6倍もの法人数です。
また、税制改正も「平成○年4月1日以後に開始する事業年度について適用する」というものが多く、3月決算法人が税制改正項目を適用するトップバッターです。
 
そこで、今回から5月にかけて法人の決算特集にしたいと思います。
今回は、決算月に確認しておきたい消費税の計算方法についてです。
 

1.免税事業者と簡易課税制度

消費税の納付税額は、課税期間ごとに売上などと一緒に預かった消費税から、仕入や経費と一緒に支払った消費税を差し引いて計算します(原則課税)。
しかし、小規模事業者の事務負担を軽減するため、基準期間(前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下の事業者は原則としてその課税期間の納税義務が免除されることになっています(特定期間に関する特例あり)。
 
また、中小事業者の事務負担を軽減するため、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者は、預かった消費税額にみなし仕入率をかけた金額を支払った消費税とみなすことができる「簡易課税制度」を選択することができます。
 

2.原則課税は損得なし

原則課税は、実際に預かった消費税から支払った消費税を差し引いた残りを納税する方法ですので、損得はありません。
また、預かった消費税よりも支払った消費税の方が多ければ、消費税の還付が受けられます。

岩嵜・杉原合同事務所 税理士 杉原麻友子 執筆者紹介

岩嵜・杉原合同事務所 税理士 杉原麻友子

平成21年7月開業。
著書「団塊世代サラリーマンのための定年退職マニュアル 厚生年金・雇用保険・健康保険の手続きと確定申告がわかる本」(共著)(税務研究会)
ホームページ http://sugihara-accounting.com/
ブログ(大阪の女性税理士sugiの天満橋日記) http://ameblo.jp/sugihara-accounting/

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