『健康経営』のススメ

2015年08月18日

今回は、「健康経営」についてご説明します。
「健康経営」と言うと、会社の社長さんや経理のご担当からすれば「健康」と「経営」の言葉の組み合わせから、企業の健康状態、すなわち、売上・利益や資金繰りといった経営状況をイメージされるかもしれません。
ところが、ズバリ正解は、人の「健康」です。
このコラムでは、社員のみなさんが心身ともに元気に働くことができる職場づくりのヒントをご紹介します。
 

『健康経営』とは?

改めて「健康経営」を確認してみましょう。
経済産業省と東京証券取引所は、平成26年度から健康経営に取り組む企業を「健康経営銘柄」として選定しています。
内容を紹介する経済産業省のHPを見ると、健康経営を、「従業員の健康保持・増進の取り組みが将来的に収益性等を高める投資であるとの考え方の下、従業員の健康管理を経営的な視点から考え戦略的に取り組む活動」と位置付けています。

 

また、東京商工会議所では、中小企業向けに「健康経営のすすめ」を発行しており、PDFで閲覧できるようになっています。こちらでは、健康経営のチェックシートや具体的な事例を紹介しています。
(参考:東京商工会議所「健康経営のすすめ」リーフレット http://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=25783

 

なぜ、今、健康経営なのか

上記の施策との関連性は不明ですが、2015年になってから「健康経営」のネット検索数は増加しています。なぜ今、「健康経営」なのでしょうか。
 
中小企業に限った話ではありませんが、会社の経営を支える働き盛りの40~50代社員は、様々な健康上のリスクに直面しています。
高血圧や高コレステロールなど、生活習慣病につながる体の不調、体力の低下を痛感している社員がいれば、取引先との関係や家族のことなどメンタル面で思い悩んでいる社員もいる。これは、会社の日常に必ずある光景です。
 
こうした前兆に社長や人事総務の担当が気付かず放置しておくと、後で大きなしっぺ返しを食らう結果になりかねません。事実、病気療養によって人員が欠けると会社は大きなダメージを負うことになります。
健康づくりを疎かにすることイコール、生産活動の低下、トラブルの発生といった経営に重大な影響を及ぼすリスクを高めることなのです。
 
特に経営資源に限りのある中小企業にとって、長期的に安定した労働力を維持・確保することは、ますます重要な課題として位置づけられます。だからこそ、健康経営に取り組まなければならないのです。

 中小企業診断士 アンドウ・ユタカ 執筆者紹介

 中小企業診断士 アンドウ・ユタカ

資金調達や財務分析に長年取り組んできた経験を生かし、「経営で生じた会計・ファイナンスの疑問点をシンプルにわかりやすく解説すること」をモットーに、企業内診断士として活動しています。

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