採択される補助金申請書の書き方とは?

2015年10月19日

前回分から読む
 

「補助金利用のメリットと申請のコツ」の後半です。
前回は「採択される申請書に共通する5つの特性」と「補助金申請するとついてくるメリット」についてお話ししました。
今回は「採択される申請書の多くに共通する書き方のコツ」についてお話しします。
 

書くべきことを外さない

補助金申請書は決められた様式があり、ある程度書くべきことは指定されていると言ってよいでしょう。
しかしそうは言っても、選択式のテスト問題やアンケートのように機械的に埋めてゆけば出来上がるというようなものではありません。
 
特に「事業の具体的な内容」等の主要部分を記述する欄は、ほぼフリーハンドですから、何をどのように書くかは申請者に任されています。
従って、まず申請者が取り組まなければならないのは、このフリーハンドの欄に何を書くかを決めることです。
 
時々見かける勘違いの例としては、所定の様式(マイクロソフトのワード)に用意されている5~6行ほどのスペースだけを使って「事業の内容」を極めて簡単な説明のみで記述してしまうケースです。それだけしかスペースがないのだから、そこに収まる程度のことを書けばよいだろうと思ってしまったのでしょう。
しかし、公募要領をよく読めば、「必要に応じて行を追加せよ」とか「必要ならば別紙で説明してもよい」と書いてあるのです。実に残念な勘違いです。
 
では、どうやって書くべきことを決めるのか。
一言でいえば「尋ねられていることを書く」ということになります。先ほど「公募要領をよく読めば」と言いましたが、尋ねられていることについても、この公募要領から抽出することができます。そして、それらが外してはならない「書くべき事」なのです。
 

審査のポイントを確認する

補助金の公募要領には、ほぼ漏れなく「審査する際のチェックポイント」が書かれています。
書くべきことを決めるためにまず行うことは、このポイントを確認することです。
 
ちなみに、前回例としてあげた「ものづくり補助金」の場合は「審査項目」という見出しで「審査する際にチェックするポイント」を列挙してくれています。
ただしあまり読みやすい文章ではありませんので、じっくり取り組まないとなりません。
コツはキーワードを抽出することです。
 
以下に「ものづくり補助金」の場合のキーワードを挙げてみますので参考にしてください。
 
1.市場のニーズ
2.ユーザー、マーケット及び市場規模
3.技術的な課題
4.目標に対する達成度の考え方
5.技術的課題の解決方法
6.革新的
7.価格的・性能的な優位性や収益性
8.事業実施のための体制及び技術的能力
9.遂行方法及びスケジュール
10.補助事業としての費用対効果
11.「付加価値額」年率3%
12.「経常利益」年率1%

 
皆さんが申請書の中で「事業の具体的な内容」を説明する場合、これらのキーワードを使った説明が非常に有効となります。実際、採択されている申請書は、これらの審査のポイントを外さずに書かれているものがほとんどです。
 

ストーリーを組み立てる

公募要領からキーワードを抽出し、押さえるべきポイントは分かった、次に何をすればよいの?
当然の質問です。
次にやること、それはストーリーを組み立てることです。

エバーグッド・コンサルティング 代表 中小企業診断士/認定経営革新等支援機関  首藤愼一 執筆者紹介

エバーグッド・コンサルティング 代表 中小企業診断士/認定経営革新等支援機関  首藤愼一

経営改善計画策定支援、経営革新計画策定支援、各種補助金(ものづくり、創業etc)の申請支援など、製造業から小売業まで業種を問わず「中小企業の元気に貢献する」を理念に活動しています。

首藤愼一先生のコラム一覧へ≫