助成金・補助金の公募日程

助成金、補助金は、年中募集されているイメージがあります。
実際、どの月にも何らかの助成金、補助金公募が開始されたとするニュースがありますし、特に公募時期を定めていない常時募集型の助成金、補助金も多くあります。
 
しかし日本は法治国家ですから、国の予算、地方自治体の予算は必ず1年単位で議会の審議を経て決められます。そのため、特定の時期に公募開始が集中される傾向があります。
ごくごく概略としてまとめると、次の通りです。
 
・2月~5月頃に、(政策的に)重要な補助金が次々公募される
・6月~9月頃に、追加公募などが実施される
 
なお、特に厚生労働省の助成金などに多い形として、
・特定の公募時期を定めず、常時募集の形を取るものもあります。
 
制度的にはそれらの締め切りは年度末(3月31日)と考えるのが正確です。
といっても、予算が消化されれれば期間内でも受付を終了するのが普通ですので、注意が必要です。

 

2014年から2015年(平成26年度から平成27年度)にかけて進んできた助成金・補助金公募のスケジュールをごく総論的にまとめると、次の図のようになります。

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上記は、主に経済産業省(中小企業庁含む)の補助金を想定していますが、他の省庁についてもほぼ同じように考えてよいかと思われます。
 
今年度に関連した日程でいえば、8月末から9月にかけて、省庁からの概算要求が公表されました。
 
・経済産業省の平成27年度補助金情報
・厚生労働省の平成27年度助成金情報

 

その後、与党および政府内の調整を経て、11月に次年度(平成27年度)本予算案が明らかになりました。予算案から復活折衝を経て実際に国会を通過するまでに、そこからまた結構な時間がかかります。
 
今回については、年末に総選挙があったなどご存知の通りの政治的駆け引きがあり、結局3月中(年度内)の国会通過はできず、(短期間の暫定予算を組んだ上で)4月9日に予算が成立しました。したがって、本筋である27年度の助成金・補助金は4月9日以降に募集開始されていく、という流れになりました。
 
毎年当てはまることですが、国会の通過を待って助成金・補助金の募集をするようでは遅すぎて、案件によっては時期を逸ししてしまう場面もあります。
そのため、省庁内ではずっと前から準備が進められ、予算成立前の3月頃から(「予算成立を前提に」という条件付きで)募集開始される助成金・補助金は珍しくありません。
 
その後続々と公募開始が続き、追加的な募集を含めると年度末まで公募が続くことになります。
 
一方、ここ数年は毎年補正予算が組まれています。
補正予算は(次年度本予算より遅い)12月頃に予算案が明示され、(次年度本予算より早く)1~2月に関連助成金・補助金はが公募開始されるスケジュールとなっています。
そして、この補正予算の枠中にこそ、特にその年の重点政策が盛り込まれていくのが特徴です。
中小企業庁関連では、例えば次の補助金が該当します。

 

・ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス革新補助金)

(1次公募)2015年2月13日~5月8日[https://www.yenbo.jp/joseikin/1279]

(2次公募)2015年6月25日~8月5日[https://www.yenbo.jp/joseikin/1873]
 
・創業補助金 (創業・第二創業促進補助金)

(公募)2015年3月2日~3月31日[https://www.yenbo.jp/joseikin/1340]

(27年度本予算:実質的な2次公募)4月13日~5月 8日
 
・持続化補助金 (小規模事業者持続化補助金)

(公募)2015年2月27日~3月27日~5月27日[https://www.yenbo.jp/joseikin/1339]

(追加公募)2015年7月3日~7月31日[https://www.yenbo.jp/joseikin/1933]

 

「平成26年度補正予算」といっても、実際には平成27年度を通じてかなり遅い時期まで募集されるものもあります。あくまでも予算枠の違いだけなので、「平成27年度予算」と区別して考える必要はあまりありません。
補助金によっては、補正予算と次年度本予算の枠両方にまたがるものもあります。
 
公的資金を受けようとする側からすると、経営計画とのタイミングと公募のタイミングが外れていたらどこかに無理が生じる可能性があります。
 
助成金・補助金の募集が開始されたというニュースを聴いてから準備するというより、予算編成の段階から予想される助成金・補助金の情報を掴み、募集時期に先立って経営計画との整合性をとっていくことが望ましいと言えます。