お客様目線の店作りをしよう

2016年01月14日

みなさんこんにちは。中小企業診断士の専田政樹です。
今回のテーマはお店作りにおいて重要な、お客様目線についてです。
 
お店を運営していると、日々の営業の中でついつい売り手(働き手)目線になりがちです。「お客様目線でのお店つくり」が重要である、ということは頭では理解していますが、具体的にどうすればいいのか、わかりにくいのも事実です。
 
今回はそこを明らかにするため、「お客様目線」について解説していきます。

 

■お客様目線をデータで考える

まずは、そもそも「お客様目線」とは何なのか、についてです。
 
自分自身を「お客様の立ち位置」にして考えてみます。商店街に買い物に訪れたイメージです。どの店で何を売っているのか?であったり、あれ美味しそう、であったり、お客様は買い物をしながら、様々な情報を感じ取ります。
 
どうやってそれを感じ取っているかというと、【視覚】【嗅覚】【聴覚】【触覚】【味覚】、いわゆる五感から情報を得ています。
 
では5感のうち、どの感覚を最も使っているでしょうか? 以下はある調査の結果です。
 
【視覚】60% 【聴覚】20% 【触覚】15% 【嗅覚】+【味覚】5%
 
嗅覚や味覚は扱う商品次第で、大きく異なるかと思います。また統計データ毎に多少数値は違いますが、順位は変わりません。圧倒的に視覚です。
「お客様側の立ち位置で発想してお店を作る」という話をしたときに、「お客様目線」と表現をする理由のひとつになります。
 
お客様は買物をする時に、最も重要な情報収集源として視覚を使っています。
当たり前といえば当たり前ですが、逆に言えば、見ただけでわかるようになっていなければ、お客様は商品に気がついてくれません。「見逃してしまう」のです。

 

 

■お客様の視覚の力はどのくらい?

お客様にしっかりと見てもらえるお店を作るには、まずお客様の視覚にどのくらいの力があるのか、つまりどの程度の範囲が見えているかを知る必要があります。
 
下の図を見てください。人間の視野には2つの種類があります。

150114-1

ひとつめは視界に入っているという状況です。個人差が大きいので一概にはいえませんが、一般論では110度~130度くらいといわれます。
両耳のあたりに手をおいて前に動かしていくと、自分の手が見え始めるポイントがあります。そこが見えている範囲ということです。
 
ふたつめは、認識できている範囲、つまり内容を理解できる範囲です。一般的には90度といわれています。
売場を作ったときに、お客様の「視野」がこの範囲(角度)に入っていなければ、いくら頑張っても認識してもらえないということです。

 

 中小企業診断士 專田政樹 執筆者紹介

 中小企業診断士 專田政樹

セブン&アイ グループにて蓄積した知見を活かし、マーケティング・店舗運営管理分野で企業支援を実施。またシンクタンクでの実務経験を活かした管理部門(経営企画、財務経理、組織人事等)のワンストップ支援を行い、質を維持したコスト削減等の経営体質強化が得意。
 
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