育児や介護の休暇を取得しやすい企業に助成金
2016年07月08日
高齢化や少子化が進むなか、労働者の雇用の安定を図るためには、企業や社会の支援が不可欠となっています。
厚生労働省は、仕事と家庭の両立を支援するために、出産や育児、介護などを経ても従業員が活躍できるよう支援する事業主に対して、下記のような助成金制度を設けています。
今回はこの助成金制度の内容についてご説明いたしますので、ぜひご活用ください。
出生時両立支援助成金(新設)
男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土作りのための取組を行い、男性労働者に一定の育児休業を取得させた事業主に助成されます。
*支給対象となるのは、養育する子の出生後8週間以内に開始する連続14日以上(中小企業は連続5日以上)の育児休業です。
*過去3年以内に男性の育児休業取得者が出ている事業主は対象外です。
*支給対象となるのは、1年度につき1人までです。
≪支給額≫
中小企業…取組及び育休1人目:60万円 2人目以降:15万円
大企業 …取組及び育休1人目:30万円 2人目以降:15万円
≪支給申請書の提出≫
支給を受けるには、育児休業の開始日から起算して14日(中小企業は5日)を経過する日の翌日から2カ月以内に、本社等の管轄労働局長に申請書を提出する必要があります。
介護支援取組助成金(新設)
労働者の仕事と介護の両立に関する取組を行った事業主に助成します。
厚生労働省が指定する資料に基づき、以下①~⑤の全ての取組を行った場合に支給されます。
① 仕事と介護の両立に関する実態把握(アンケート調査)
② 制度設計・見直し
③ 介護に直面する前の労働者への支援(社内研修・制度周知)
④ 介護に直面した労働者への支援(相談窓口の設置・周知)
⑤ 働き方改革
*平成28年6月24日㈮から支給要件の一部が見直され、②と⑤が追加されました。
≪支給額≫
1企業1回のみ:60万円
≪支給申請書の提出≫
支給を受けるには、全ての取組を完了した日の翌日から2カ月以内に本社等の管轄労働局長に申請書を提出する必要があります。
中小企業両立支援助成金(代替要員確保コース)
育児休業取得者の代替要員を確保し、育児休業を3カ月以上利用した労働者を原職等に復帰させ、復帰後6カ月以上雇用した中小企業事業主に助成されます。
*育児休業取得者の原職復帰日から起算して6カ月を経過する日が平成28年4月1日以降の場合適用。
≪支給額≫
育児休業取得者1人当たり:50万円
≪支給対象期間≫
最初の支給対象労働者の原職復帰日から起算して6カ月を経過する日の翌日から5年以内
≪上限人数≫
1年度(各年の4月1日~3月31日)に延べ10人
中小企業両立支援助成金(育休復帰支援プランコース)
「育休復帰支援プラン」を策定及び導入し、対象労働者が育休取得した場合及び復帰した場合、中小企業事業主に助成されます。
*これまでは1企業につき1人まででしたが、2人までに拡充されました。
(期間雇用者1人、雇用期間の定めのない労働者1人)
平成28年度後半からは、介護休業についても対象となる予定です。
*「育休復帰支援プラン」とは、少なくとも下記が定められているものをいいます。
①円滑な育児休業取得の為、取得者の業務の整理、引継ぎに関する措置。
②職場復帰支援の為、育児休業中の職場に関する情報及び資料の提供に関する措置。
≪支給額≫
正社員、期間雇用者それぞれ1人について、プランを策定し、育休取得したとき:30万円
育休者が職場復帰したとき:30万円