給与を支払った全員が年末調整の対象者ではない?
2014年11月10日
今年も残すところ、1ヶ月半。みなさん、年末までに納めなければならない業務におわれていることと思います。
今回は、この時期に行う「年末調整」についてふれてみたいと思います。
「年末調整」とは、文字通り、年末に行いますが、一言で表現すると「給与にかかる税金(所得税)を確定させて調整する」手続きのことです。
たとえば、会社が税金を確定するためには、事業年度末に決算をして、「確定申告」をしますし、個人事業者の方が税金を確定するためには、1月~12月までの決算をして、「確定申告」をします。
いずれも「確定申告」をもって税金が確定しているのですが、もしこの「確定申告」の手続きを給与所得者全員がするとなると、大変なコストと時間がかかることになります。
そこで、給料を払う事業者側が、支払った給与の総額を元に役員や従業員1人1人の税金を確定させて、年の途中で天引きをしていた税金との過不足を調整することを「年末調整」と言っています。
ところで、給与を支払った全員が年末調整の対象者ではないのはご存知でしょうか?
下記へ年末調整ができない人を挙げてみました。
・ 本年中の主たる給与の収入が2,000万円を超える人
・ 2ヶ所以上から給与を受けている人で、他の給与の支払者へ「給与所得者の扶養控除申告書」を提出している人
・ 年末調整を行うまでに「給与所得者の扶養控除申告書」を提出していない人
・ 年の途中で退職した人(死亡退職や本年中に再就職見込みがない場合、また12月支給の給与を受けた後に退職した人などを除く)
・ 非居住者や継続して同一の雇用主に雇用されない日雇い労働者
これらの方々は年末調整ができないため、事業者側は年末調整をせず、給与支払金額や源泉徴収税額を記載した「源泉徴収票」を本人へ交付し、その「源泉徴収票」をもって各自がそれぞれ確定申告をすることとなります。