中小企業にとってのマイナンバー(社会保障・税番号)制度
2015年01月22日
国民1人ずつに番号を割り当てる「マイナンバー制度」がいよいよ来年1月からスタートします。さて、この「マイナンバー制度」、中小企業の社長さんに影響はあるのでしょうか。
今回は社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)について中小企業の税務面で影響のあるところを見ていきたいと思います。
まず、マイナンバー制度のキャラクターはマイナちゃんです。数字の1を持ったうさぎちゃんです。かわいらしいですね。
それでは本題に入っていきましょう。
1.マイナンバーは何のために導入されるのか
目的は3つあります。
① 公平・公正な社会の実現
ずるいことのできない、公平・公正な社会をめざしましょう、ということですね。
税務面においても、所得の把握が容易になり、より適正で公平な課税が行われるということでしょう。
② 行政の効率化
行政機関や地方公共団体の間での情報の照合が簡単になるので、行政での仕事の無駄が減ります。
③ 国民の利便性の向上
今まで必要だった添付書類が不要になったり、自分の過去の税務申告や納付履歴なども確認できるようになるようです。
2.マイナンバーの個人・法人別の特徴
マイナンバーは平成27年10月から通知され、平成28年1月から順次利用が開始されます。
① 個人番号(12桁)
住民票を有する国民全員(中長期在留者、特別永住者等の外国籍の方も含む)
市区町村から通知カードが郵送
利用範囲は社会保障、税及び災害対策に関する事務に限定
公表されない
② 法人番号(13桁)
設立登記法人などの法人等
国税庁から通知
インターネットで公表
3.税務面での影響
① 税務関係書類への番号記載
税務関係書類に番号を記載しなければならなくなります。
・ 所得税 平成28年分の申告書から
・ 法人税 平成28年1月1日以後開始事業年度から
・ 法定調書 平成28年分の法定調書から
・ 申請書・届出書 平成28年1月1日以降提出分から
② 法定調書作成時の注意点
法定調書には、原則として支払を受ける方と支払者の個人番号、又は法人番号を記載する必要があります。そして、支払を受ける方から個人番号の提供を受ける場合には、本人確認が必要となります。
つまり、個人番号を教えてもらうだけでなく、個人番号と身元確認をしなければなりません。市町村から個人に送られてくる通知カードとあわせて運転免許証などを見せてもらう必要があります。
また個人事業主が法定調書を作成し、税務署に提出する際には、個人事業主自身の本人確認が必要となります。
③ 源泉徴収義務者の注意点
従業員に提出してもらう「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には、従業員本人、控除対象配偶者及び控除対象扶養親族等の個人番号を記載してもらう必要があります。
本人確認は従業員本人の分だけでよく、配偶者や扶養親族の本人確認は各従業員が行います。
4.まとめ
どうでしたか。マイナンバー制度についてはまだまだ概要の部分しか公表されていませんが、中小企業の社長さんにとってはなかなか厳しい内容だったのではないでしょうか。
会社は特定個人情報(個人番号をその内容に含む個人情報)を知る立場になるわけですが、特定個人情報の漏洩や悪用などのリスクから守るために、その取扱いについて厳重な管理が義務付けられます。
預金にもマイナンバー適用の話もあり、今後の動きに注目です。
あらためて一緒にマイナちゃんの顔を眺めて、今回は終わりにしたいと思います。