知ってるつもりで知らなかった年次有給休暇について
2015年02月05日
Q.遅刻や欠勤をした時間について、年次有給休暇を取得してもいいのでしょうか?
この場合、たとえば5分の遅刻でも1日の年次有給休暇を取得したことになるのでしょうか?
A.一般的に企業の就業規則においては、年次有給休暇を取得するためには事前に申請等を行うことになっていると思います。
ですので、従業員の方の当然の権利として事後に年次有給休暇に振り替えられるわけではありませんが、就業規則の規定や事業主の方の承認により振替を認めること自体は問題ありません。
ただし、従業員の方が遅刻や欠勤をした時に、事業主の方が勝手に年次有給休暇に振り替えることはできません。
また、5分の遅刻でも1日の年次有給休暇を取得したことになってしまうのかどうかは、その企業の就業規則で年次有給休暇がどのような単位で取得できると規定されているのかによります。
年次有給休暇の取得を1日単位にしている場合もありますし、半日単位の場合もあります。
さらに、現在は1時間単位の取得も認められています。
ただし、1時間単位にするためには、労使協定の締結が必要となり、1時間単位で年次有給休暇が取得できる日数も5日以内に限られます。
1時間単位で年次有給休暇を利用できることは、従業員の方にとってみると年次有給休暇を有効的に活用できる制度でありますが、企業からすると年次有給休暇の日数管理等が複雑になるともいえます。
Q.お盆休みや年末年始のお休みを年次有給休暇とすることはできるのでしょうか?
A.このように年次有給休暇を与える時季をあらかじめ定める制度を年次有給休暇の計画的付与といいます。
労働基準法では、年次有給休暇のうち、従業員が自由に利用できる分として5日を残して、それ以外の分については計画的付与とすることが認められています。
尚、計画的付与を行う場合には、時間単位の年次有給休暇と同様に労使協定が必要ですが、周囲の人に遠慮してなかなか年次有給休暇が取得できないような企業では、計画的付与制度の活用により年次有給休暇の取得率向上につながるものと思います。
以上、年次有給休暇制度について詳しくみてきました。
自社の実態の合った年次有給休暇制度を構築して、従業員の働き過ぎを防止し、ワークライフバランスの実現を図られてはいかがでしょうか。