小規模企業白書をご存知ですか?

2015年07月13日

経営計画作成と意識変化のアンケート

ここでのテーマは「経営計画の作成経験とその後の意識の変化」です。
平成25年度補正予算で「小規模事業者持続化補助金」という国のサポートがありました。これは小規模事業者が、商工会、商工会議所と一体となって販路開拓に取り組む費用(チラシ作成費用や商談会開催の為の運賃など)を支援するもので、補助上限50万円、補助率2/3という条件です。申請件数は27,409件のうち、50%弱の申請が通りました。
 
この補助金を申請する際の提出資料に、1ページ程の簡易な経営計画がありました。
これを受けて「経営計画」の作成経験と、その作成を経た後の意識の変化についてのアンケートが取りまとめられています。
 
a.経営計画の作成の有無
①過去にも作成した事がある:40.6%
②今回の補助金申請にあたって初めて作成した:59.4%
 
おおよそ6割の方が、日々の忙しさのあまり、たった1ページの経営計画を作成できなかった(作成したことがなかった)ということです。
 
b.経営計画作成を経た小規模事業者の意識の変化
①他の補助金等の活用にも関心を持った:51.7%
②自社の強み弱みが明らかになった:50.8%
③新たな事業を企画できた:50.3%
④事業の見直しを行うきっかけとなった:43.3%
⑤自社の事業の優先順位をつけられた:31.3%
⑥特になし:0.4%
⑦その他:2.4%
 
という結果となっています。

経営計画作成の効果とは?

経営計画作成の経験者も未経験者も「作成した」というアクションに対し、多くの方が「効果あり」と感じているわけです。
 
特に「意識の変化」の②についてですが、いわゆるSWOT分析という手法を用いた際に得られる効果に近く、自社の「良さ」を見つけ出すことにつながっています。弱みというのは、うちはこれができていない、あれができていない…となり、言い始めると、ある種きりがなくなり、むしろ落ちこんでしまいがちです。
 
一方、自社の「強みの発見」は非常に効果的です。平素は当たり前になりすぎていて自分ではわからなくなりがちですが最も重要なポイントです。
計画に落としこむ時には形式化(文章にするなど)をしなければならない為、客観視する瞬間が発生します。その時に「改めて自社の良さに気がつく」ということです。
もしまだ作成したことがないという方がいらっしゃいましたら、簡易なもので充分ですから是非一度作成してみてください。必要があれば我々中小企業診断士もお手伝いすることができますので是非お声掛けください。
 

今回は小規模企業白書の内容の一部をご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか? 次回はコスト削減策の成功事例のお話をしていきたいと思います。ちょっと分析してみたら、このくらい安くなりました…という感じの内容です。
ではみなさま、今後ともよろしくお願い致します。

 中小企業診断士 專田政樹 執筆者紹介

 中小企業診断士 專田政樹

セブン&アイ グループにて蓄積した知見を活かし、マーケティング・店舗運営管理分野で企業支援を実施。またシンクタンクでの実務経験を活かした管理部門(経営企画、財務経理、組織人事等)のワンストップ支援を行い、質を維持したコスト削減等の経営体質強化が得意。
 
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