数字が苦手でも知っておきたい計数管理の基本は『比較』
2015年07月16日
比較が基本
計数管理の基本は「比較」です。
例えば「本年度の売上は40,000千円である」とだけ言われて、これをどう評価しますか? この売り上げは多いのでしょうか、少ないのでしょうか? 良い数値でしょうか、悪い数値なのでしょうか? そう、他に比較する情報がなければ評価不能ですね。
つまり多いのか少ないのか、良いのか悪いのかなどの判断は、比較する数値がなければできないのです。
比較の方法
物事を判断する場合に大切だと言われることに網羅性があります。つまり必要な要素をモレなく検討して判断すべきということですが、これは比較の場合にもあてはまります。
例えば、A製品の売上の伸びは前年比30%、B製品は10%であると言われれば、伸び率が大きいA製品のほうがB製品よりも成績優秀で重要と判断できそうです。
しかし、実はA製品の売上は、前年度が1,000千円、今年度が1,300千円。一方B製品は、前年度10,000千円で今年度11,000千円だったとしたらどうでしょう、評価は全く違うものになりませんか。
このように、同じ事象でも比較の方法によって違う評価になるわけですから注意が必要です。
では、比較する上で押さえるべき方法はどんなものがあるでしょう。
増減率、差額、趨勢(トレンド)
上記の例は「増減率」と「差額」での比較例です。それらに加えて「趨勢(トレンド)=物事の動向や成り行き」を比較の方法に加えましょう。
例えば売上であれば、3期以上の成績で比較し変動の傾向を評価するのです。先ほどの例においても「トレンド」の視点で比較すると、また違った結論が出るかもしれません。
A製品は額が小さいものの急速に売上が伸びており成長期の製品である。一方B製品は売上規模が大きいものの、年々成長率が落ちており成熟期に向かっている製品である、などです。
計数管理の基本は「比較」すること、実にシンプルです。
比較の方法は、「差額」と「増減率」と「トレンド」を押さえること、これもご理解いただけたかと思いますが、いかがでしょうか。
比較についてはもう少し知っておいていただきたいことがあるのですが、今回はここまでとし、次回この続きをお話ししたいと思います。