事業のグランドデザインを描く
2015年08月31日
前回分から読む
中小企業判断士の目線からお伝えする「起業」についての特集、第3弾です。
前回、起業に至るプロセスの前段階としてのポイントを2つご紹介しました。
1つ目は「起業に向けて意思を強く持ち続けること」、2つ目は「グランドデザインを描く」ですが、覚えておられるでしょうか。1つ目については「アファメーション」が効果的ですよと前々回お話ししました。
今回は2つ目のポイント「グランドデザインを描く」から始めることにします。
事業のグランドデザインとは
言うまでもなく、あなたがやりたいと思う事業の内容のことです。と言われてもピンとこないかもしれませんね。もう少し具体的にしましょう。
グランドデザインを描くためのポイントを一つずつ質問形式で取り上げていきますので、答えを考えてみてください。
1.誰をお客様に想定していますか?
あなたが商品やサービスを提供したい相手はどんな人たちですか? なるべく具体的に想定してください。
性別、年齢、生活エリア、ライフスタイル、趣味・趣向、年収、社会的地位、等々です。
「グランドデザインだからもっとアバウトでもいいじゃないか」と思うかもしれませんが、ここはなるべく具体的に、お客様のイメージが頭に浮かぶくらい考えましょう。
2.その具体的に思い浮かべたお客様にどんな商品、サービスを提供しますか?
おそらく日ごろから考えていたモノを心の中にお持ちだと思います。その商品やサービスです。
ここではその商品やサービスを言葉にして表現してください。そして想定したお客様とその商品・サービスを結び付けてみましょう。すんなり腹に落ちますか?
なにか違和感があればお客様と商品・サービスはミスマッチです。もう一度、お客様の想定をやり直すか、商品・サービスを再考しましょう。
3.どのようにお客様に商品・サービスを知ってもらいますか?
要するに広告、宣伝の仕方について考えることです。
色々な手段があると思いますが、コストの面を考えると選択できる方法はあまり多くはないでしょう。
どれが一番かは皆さん各自の事情(特に資金面)により変わります。各種広告媒体の一般的なコストと効果については調べておく必要があります。
4.どのようにお客様に商品・サービスを届けますか?
リアルな店舗で販売するのか、バーチャルなお店で販売するのか、来ていただくのか、こちらから訪ねるのかなどです。
リアル店舗の場合は立地も重要な検討事項です。その他には販売を他者に委託するかどうかなども検討事項になります。
5.いくらで買って頂きますか?
事業として成り立つかどうかの重要ポイントです。
想定するお客様と商品・サービスの相性がいくら良くても、利益が出ない商品・サービスでは意味がありません。まずは利益の出る価格を想定しましょう。
ここで少し脱線させてください。販売価格の決め方についてです。
グランドデザインの段階でここまで考える必要はないのかもしれませんが、大事なことなので少しお話ししたいと思います。