派遣労働者を雇う事業主必見! 労働者派遣法はどう変わる?
2015年10月08日
4.キャリアアップ措置の実施
派遣元は雇用している派遣労働者のキャリアアップを図るために、段階的かつ体系的な教育訓練、希望者に対するキャリア・コンサルティングを実施する義務があります。また、派遣先においても正社員に限らず労働者の募集をする際には、一定の場合、受け入れている派遣労働者に対する募集情報の提供が義務づけられます。
5.均衡待遇の推進
派遣元と派遣先の双方において、派遣労働者と派遣先で同種の業務に従事する労働者の均衡待遇確保のための措置が強化されます。具体的には、派遣元は派遣労働者から求めがあった場合、以下の点について均衡待遇を図るために考慮した内容を説明する義務があります。
①賃金の決定
②教育訓練の実施
③福利厚生の実施
また、派遣先においては以下の配慮義務が課され、具体的な行動を行う必要があります。
①派遣元に対して、派遣先の労働者の賃金水準の情報提供等を行うこと
②派遣先の労働者に業務に密接に関連した教育訓練を実施する場合、派遣労働者にも実施すること
③派遣労働者に対し、派遣先の労働者が利用する一定の福利厚生施設の利用の機会を与えること
以上、改正労働者派遣法について詳しくみてきました。
派遣という働き方、派遣労働者の受け入れは、臨時的・一時的なものであることを原則とするという考え方のもとに、派遣労働者の常用代替を防止し、派遣労働者の雇用の安定やキャリアアップを図ることを目的として、今回、労働者派遣法が改正されました。
改正法の成立から施行までの期間も短いことから、施行後に慌てることのないよう派遣元事業主も派遣労働者を受け入れている派遣先事業主も新たな制度についてきちんと理解しておくことが重要であると考えます。