売上高増減の原因を要素分解で知る
2015年10月23日
貸借対照表と損益計算書
会社を経営している方にとって、この2つはお馴染みの帳表だと思います。個人事業主の方でも税務申告の際に作成を求められますから、まったくその名前さえ聞いたことがないという人は少ないでしょう。
しかし、この2表の基本的な意味を理解している方となるとどうでしょう。私の知る限り、きちんと理解している方はそれほど多くないようです。
ストックとフロー
ストックとは「貯蔵」「残高」といった意味、フローとは「流れ」「流量」といった意味ですが、このそれぞれが貸借対照表と損益計算書の基本的な性格を象徴しています。
たとえ話で説明しましょう。水を蓄えているダムを思い浮かべてください。
ダムには上流から水が流入し、放流によって流出していますね。この水の流入量と流出量が「フロー」です。そしてある時点のダムの貯水量が「ストック」です。
会社について同じように考えると、流れ込んでくる売上(収益)と流れ出す費用(原価)は「フロー」、ある一時点の会社に残っている財産(資産)の額は「ストック」と言えます。
そして「貸借対照表」という帳表は、ある一時点の会社に残っている財産(資産)すなわち「ストック」を表しており、「損益計算書」はある一定期間に会社へ流入・流出した売上(収益)と費用(原価)の大きさ「フロー」を表しているのです。
ポイントは次の2点です。
1. 「貸借対照表」の特徴は「ストック」、
ある一時点の会社の財産(資産)の大きさを表す帳表である。
2. 「損益計算書」の特徴は「フロー」、
ある一定期間の売上(収益)と費用(原価)の増減を表す帳表である。
貸借対照表と損益計算書の基本的な特徴についてお話ししました。
ここでは、2表の基本的な性格の違いを理解してもらえればよいと思います。
この2つの帳表については、そもそも何のために作られるのか等、まだまだお話しすることがあるのですが、今回はここまでとし、残りは次回以降に回すことにします。