貸借対照表と損益計算書は何のためにあるのか?
2015年12月01日
BSが表す財政状態とは
ここまで読んでいただいて、「あれ?」と思われている方がいるかもしれません。
「BSの特徴はストックだったよな。ある一時点の会社の財産(資産)の残高を表すのがBSって説明だったのに、今度はその会社の財政状態(資産や負債、資本の状況)を表すものだと言っている。負債や資本が何で加わったの?...」
もっともな疑問です、説明しましょう。実は「 資産 = 負債 + 資本 」なのです。
下の図を見てください。BSを大きな箱に見立てています。左側が資産、右側が負債と資本です。
この図(つまりBS)の特徴は、同じものを違う観点から見て左と右に分けている点です。
左側の資産は以前からの説明通り、ある一時点の会社の財産(資産)の残高を表しています。
そして一方の右側は、その資産を手に入れるための源泉を表しているのです。
資産の代表格は現金ですが、そのほかの構成要素である売掛金、受取手形、原材料や製品・商品、土地や建物、機械設備などを手に入れるための資金の調達先が、負債であり資本であるということです。
負債の代表格は「借入金」ですね。そのほかには買掛金、支払手形などが負債に含まれます。
資本の代表格は「資本金」です。もともと事業を起こすときに株主から集めた資金です。そのほかには事業活動で蓄えた利益である剰余金です。
簡単に言うと会社の資産は、借金等で入手した資金と、もともとの出資金と事業活動で蓄えた剰余金で賄っているということになるのです。
したがって財政状態とは「ある一時点の会社の資産の状態と、その資産を手に入れるための資金源泉の状態」であるということになります。
いかがでしょうか、日常で目にするBS(貸借対照表)についてその特徴を理解いただけたでしょうか。
次回は、経営成績を表すPLについてお話します。