資金繰りの失敗は会社の突然死を招く
2014年09月17日
会社を運営していくため必要な資金のひとつに「運転資金」があります。運転資金については後ほど説明しますが、会社の倒産はこの運転資金が途切れてしまうことで起こります。その最も分かりやすい例は「貸し倒れ」による連鎖倒産です。売掛金の回収不能により資金が途切れ、その不足した資金の調達に失敗すると、支払い不能になって倒産してしまいます。
さすがに貸し倒れを資金繰り表に予定しておくことはできませんね。そこで社長がやるべきこと、それは「貸し倒れ対策」です。
貸し倒れを予防するには、与信管理(※2)の徹底が必要です。また起きてしまった時の影響を最小限にとどめ自社の倒産を回避するためには、特定の得意先への過度な依存を避けることや、取引銀行(メイン銀行)から緊急融資を引き出しやすくしておくことなどがあります。貸し倒れ対策は広い意味での重要な「社長の資金繰り」なのです。
「社長の資金繰り」においてひとつやるべきこと、それは運転資金の肥大化防止です。運転資金という呼び方は、多ければ多いほど良いのではないかといった印象を与えますが、必ずしもそうではありません。運転資金が過剰に増え肥大化すると、まさにメタボリックシンドロームで余分な脂肪が体にたまっていくように、会社の健康を蝕んでしまう性質を持っているのです。
では、運転資金とはなにか、運転資金の肥大化がなぜ問題かを説明する必要がありますが、それは次回でお話します。
※1:リードタイム:着手(発注)から完成(納品)までの所要期間。
※2:与信管理:販売代金の回収のリスクを小さくすること。