売れ行きに断然差が出るフレーミング効果
2015年03月12日
〜ビジネスに役立つ行動経済学③〜
消費者心理とフレーミング効果
今回は引き続き行動経済学における「フレーミング効果」についてお話しします。
前回は経営者の意思決定やコミュニケーションという視点でお話ししましたが、今回は商品やサービスをお客様が選好する際に働くフレーミング効果についてです。
値引き率、値引き額、キャッシュバック
実際の例をいくつか挙げましょう。
まず、皆さんもご存知のセブンイレブンの「おにぎり100円均一セール」です。
このキャッチコピーはセブンイレブンが使い始めて効果が確かめられると、瞬く間に各コンビニも使い始めました。
実質は20%程度の値引きと変わらないのですが、売れ方が大きく変わりました。
おにぎりのような低額商品の場合、「2割引き」とか「20%オフ」と表示するより、「100円均一」と表示するほうが消費者の購買意欲を上げたのです。
同じことでも表現により消費者の商品選好が変わる例です。この場合は「率」のフレームより「額」のフレームが消費者心理を大きく動かしたということです。
同様な例としては、やはりセブン&アイグループのヨーカ堂がおこなってヒットした「キャッシュバック・キャンペーン」があげられます。
衣料品を中心に買い上げ金額から最大30%程度を現金で返すというものですが、お客様はレジで代金を支払った後、特設のレジまで出向き、混んでいれば列に並んで返金を受ける仕組みです。
値引きよりもむしろ手間がかかるにもかかわらず、現金を手にすると「ありがとう」と売り手である店員に感謝するお客様すら相当数いたというのです。
この場合は目に見えない値引きよりも、実際に目に見え手にする現金のほうが消費者の心に響いたということなのでしょう。