売れ行きに断然差が出るフレーミング効果
2015年03月12日
つい真ん中の価格帯を選んでしまう
ある寝具店のセールでの話です。
2万円の羽根布団と4万円の羽根布団の2種類を並べて販売したところ、2万円の商品ばかり売れ、4万円のほうは売れ行きが思わしくありませんでした。
実は店主としては4万円の羽根布団を売りたかったのですが、思惑通りにはいかなかったのです。
そこで、選択肢を増やしてみようと6万円の羽根布団も並べてみました。すると4万円の商品が売れ始めたのです。
選択肢が2つしかない場合、どうしても比較検討に価格が取り上げられがちになってしまいます。つまり安い方を選択する心理がつよく働くのです。
しかし、ワンランク上の商品を加え選択肢を3つに増やすことにより、単純に価格が安いものよりは品質も良いものをという心理が働くようになるのです。
この効果を利用した例としては「オリジン弁当」が有名です。
1種類だった幕の内弁当を450円、490円、690円の3種類に増やしました。これにより「490円」が一番売れ、幕の内弁当の売上は前年に比べ約80%も増えたといいます。
弱みを強みに、逆境をチャンスに
フレーミング効果は、同じ事象でもとらえ方を変えることで、ネガティブをポジティブに変える力を持っています。
マイナスをプラスに転化して物事を考えたり捉えさせたりする力です。
一番有名な例としては「コップにある半分の水を見て、”もう半分しかない”と考えるか、”まだ半分もある”と考えるか」というものですが、消費者や得意先に自社を売り込む際に有効に使うことができます。
例えば、競合他社よりも規模が小さいのであれば、「少数精鋭の当社はフットワークが軽く、急な注文にも柔軟に対応できます。」と謳いましょう。
競合他社よりも価格が高いのであれば、「当社のサービスは業界でも高い質を誇っています。コストパフォーマンスはトップクラスです。」と強調しましょう。
自社の弱みと思えるものを敢えて強みに言い換えてみるのです。意外とお客様のフレームに響くかもしれません。
ビジネスに使えそうな「フレーミング効果」について2回にわたってご紹介しましたが、いかがでしたか。
行動経済学には、他にも面白い理論がまだまだありますので、今後もご紹介していきたいと思います。楽しみにしていてください。
では、今回はここまでといたします。