強いチームをつくる7つの方法
2015年03月30日
前回はチームづくりの重要性と、チームづくりを阻害するものについてお話ししました。
今回は「強いチーム」のつくり方についてお話しします。
強いチームとは
1プラス1が2ではなく、3にも4にもなるチーム、それが「強いチーム」です。つまり、チームメンバー個々の能力を足し合わせたもの以上の成果を出せるチームということです。
ここでいうチームの成果とは、単に仕事量のことだけを指すのではありません。仕事量、仕事の質、仕事のスピード、付加価値の高さなどを包含した成果です。
7つの方法
さて、それではどのようにしたらそのような「強いチーム」をつくることができるのでしょう。リーダーは何をすればよいのでしょうか。
前回、チームづくりの阻害要因として「すべてを背負い込むリーダー」を上げました。それは、管理職になりたての私の友人が陥った状態だともお話ししました。
これからご紹介する7つの方法は、そんな彼に行ったアドバイスのポイントをまとめたものです。その結果、幸いなことに彼はチームづくりに成功し、チームとして高い成果を残すようになりました。精神的にもだいぶ楽になったそうです。
もちろん他にも有用な方法はあると思います、一つの事例として参考にしていただければ幸いです。
1.傾聴する
まず聴く耳を持つということです。
「聞く」ではなく、耳を傾ける「聴く」ことがすべての基本です。「部下の言うことはどんな内容でも最後までちゃんと聴く」これが最初に彼に心がけてもらったことです。
ちゃんと聴くとは、人の話を否定しないこと、理解できるところ共感できるところを見つけ、それを認めることです。それは個別に話をする時だけではなく、会議の場でもそのように心がけてもらいました。
そして部下にもそれを求めるようにアドバイスしました。聴くことで相互理解を深めること、これが「傾聴」の効果です。
2.共通の目標を設定する
お互いに傾聴し、相互理解を深める過程で同時に行ってもらったのが、チーム全体の目標を明確に設定することです。
それぞれの担当業務は、最終的に何を成し遂げるためにやるのか明確にしていきました。目標の共有には双方向のコミュニケーションが欠かせませんが、その意味でも傾聴による相互理解は有効に働きます。
3.一緒に考え、そして任せる
山本五十六の言葉に「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」という言葉があります。
この言葉を知った時、さすが山本五十六は良いことを言うと思いました。ただ自分の感覚としては「やって見せ」と「言って聞かせて」には少々違和感を持ちました。
つまり個々の仕事に関してリーダーがメンバー以上にうまくできるとは限らないではないか。もちろん自分が実際にやってきたことであれば「やって見せる」のも容易なことだろう。
しかし、そうでないことも多いのではないか。特に会社のトップともなれば、すべての業務に関して精通するのは不可能に違いない、と感じていたのです。
そこで友人へは、「育てたい部下に対しては、できればやって見せるといい。しっかりとやり方を教えればいい。しかしそれができないのなら、部下と一緒にどうしたらできるかを考え悩み、一緒に良い方策を見つければいい」とアドバイスしました。
そして「方策を見つけたら、今度は部下に任せることが部下を育てることになる」と付け加えたのです。