強いチームをつくる7つの方法
2015年03月30日
4.ほめる、しかる(ポジティブ・フレームを活用する)
山本五十六の言葉にもあるように「ほめてやらねば」部下は動かないし育ちません。
一方で「しかる」ことも必要です。どちらにしても「自分が部下に関心を持ち、常に見守っているのだ」ということが伝われば、「ほめる」も「しかる」もほぼ同様の効果を発揮します。
うわべだけの「ほめ言葉」や表面的な事象をとらえての「叱責」は良くありません。
そしてほめる場合も、しかる場合も、肯定的で前向きな表現を使うようアドバイスしました。
これは前に私が皆さんに紹介した行動経済学のフレーミング効果そのものです。同じ内容を表現するにもネガティブ・フレームを使うかポジティブ・フレームを使うかでは、モチベーションに大きな差が出るのです。
5.チームの成功報酬を分かち合う 金銭だけではない心の報酬
ほめることと同様にチームづくりに大きな力を発揮するもの、それは成功報酬です。
というと給料や賞与といった金銭的な報酬を思い浮かべますね。当然それは重要な要素です。
部下の努力に金銭的に報いる。リーダーたる者はその点についても最大限の配慮をすべきです。
私の友人の場合はこの点については心配ありませんでした。しかし、金銭以外の成功報酬、心の成功報酬については全くの無策だったのです。
そこで彼には仕事の節目でちょっとしたイベントを企画することを提案しました。節目とは、例えばチーム目標に向けてクリヤーしていく小目標や中目標の達成時点です。
イベントと言ってもそれほど大げさなことをする必要はありません。休憩時間や仕事終わりにチーム全員で集まり、ソフトドリンクとスナックで小目標達成や中目標達成を祝うのです。
特に貢献度の高いメンバーに対してはちょっとした表彰をする。チームの達成感を分かち合い、お互いの苦労をねぎらう、これが心の成功報酬です。
6.評価基準の合意
皆さんよくお分かりの通り、一般的に金銭的報酬の多寡はメンバーの貢献度をどのように評価するかによって決まります。
そしてこの評価に対する納得度の高低でメンバーのモチベーションが変わります。
納得度が低ければリーダーに対する信頼は損なわれ、モチベーションも低下する。逆に納得度か高ければ、評価の高低にかかわらずモチベーションは維持されます。
そこで友人には、部下一人ひとりと評価基準について十分に話し合い合意しておくことをアドバイスしました。彼の会社では評価基準が明文化されていましたので、その書かれた基準をどう解釈するかを部下と話し合い、お互いの解釈の隔たりを少なくすることを提案しました。
特に評価をできるだけ客観的にするためには、数値基準を盛り込むことなど工夫も必要だと伝えました。
7.周知を集めて一人で決める
最後にリーダーとして最も重要なことを話しました。それは「意思決定」の問題です。
私の好きな言葉の一つに「周知を集めて一人で決める」という言葉があります。意思決定のプロセスにチームメンバーを参画させる。そして彼らに意見を十分出させて把握する、つまり周知を集める。周知を集めたうえでリーダーが自らの意思と責任を以て決定する、ということです。
その結果失敗したとすれば、すべて自らの至らなさとして責任をとる。成功すれば意思決定プロセスに参画したチーム全員の功績とする。
言うのは簡単ですが、なかなか難しいことは皆さんご存知の通りです。
しかし、チームがリーダーの下一体となって高い成果を上げていくためには、絶対に外すことのできない要件だと私は思っています。もちろん私の友人が実践していることは言うまでもありません。
さて、いかがでしたか。
「強いチーム」づくりをするためにどのようなリーダーシップを発揮すればよいか、拙い持論ではありますが披露させていただきました。多少なりとも参考にしていただければこれに勝るものはありません。