貸借対照表を知って、自己資本を充実させよう
2015年05月21日
日本の法人は3月決算が一番多いということで、3月決算にちなみ「法人の決算」についてご紹介してきましたが、今回が3回目となります。
5月も早いもので半ばを過ぎました。すっかり初夏の空気で、ここ大阪でも半袖の人や日傘を差す人が増えてきました。
5月は3月決算の法人にとっては決算が固まり、納税をする月です。会社にやってきた銀行の担当者が「社長、申告書はもうできましたか?」と言うと、「やかましいわ」と決まり文句を社長さんが返すというのが、この季節の大阪の定番です。
そこで今回は、そもそも「法人の確定申告」とはどういうものか、「決算書」とは何か、 特に「貸借対照表」とはどんなものなのか、そういう基本的なお話をしたいと思います。
法人の確定申告とは
法人は、原則として、事業年度終了の日の翌日から2か月以内に確定申告書を作成して税務署に提出するとともに法人税を納付しなければなりません。同時に都道府県民税、市町村民税の申告・納税もあわせて行います。
消費税の納税義務者であれば、消費税の申告・納付も行います。
税務署には、その法人の確定した決算に基づいて作成した法人税の確定申告書を提出するわけですが、確定申告書というのはいわゆる別表と呼ばれる書類のことです。
別表というと、文字通りとらえれば確定申告書という本表があって、それに説明用の別表という書類を別途つけて提出するのかなと考えがちですが、そうではありません。
法人税の確定申告書そのものが別表一から別表十七までで構成されています。
内容はなかなか複雑で、今回は詳細は省略しますが、見慣れていないと「何のこっちゃ」な書類です。
確定申告書(別表)以外にも提出しなければならない書類は以下の通りです。
-
①貸借対照表
②損益計算書
③株主資本等変動計算書
④勘定科目内訳明細書
⑤事業等の概況に関する書類
中小企業の決算書
中小企業の場合、決算書というと、この税務署に提出する上記①~③のことを言います。
これは会社法でいう計算書類のことで、以下の4つを指します。
-
①貸借対照表
②損益計算書
③株主資本等変動計算書
④個別注記表
次ページでは、貸借対照表について解説していきます。