『健康経営』のススメ

2015年08月18日

健康経営を始めよう

まずは、自社の状況をチェックしてみましょう。
先ほど挙げた東京商工会議所の「健康経営のすすめ」リーフレットにはチェックシートが掲載されています。
ステージ別に判定が区分されており、段階に応じて具体的なアドバイスと対応策が示されています。
 

健康経営を進める順番は、①会社全体が健康づくりの重要性を認識→②健康づくりのメッセージを情報発信→③健康づくりの機会を提供し、具体策を実施→④効果検証・改善活動になります。
③のステージまで到達すれば、あとは③→④をPDCAとして回していけばいいのです。
 
例えば、健康づくりのテーマが、「減量・禁煙」であれば、①健康診断やアンケート調査を実施して会社と社員の状況を把握、②朝礼や掲示物で「減量・禁煙」の必要性や効果を社長がメッセージ発信、③全社員参加型のイベント実施、④参加状況の把握・効果検証、その後は、③’強化対象者を絞り個別支援プログラムを実施し全体レベルを底上げ、④′効果検証・・・進め方はこんな感じでしょうか。
こうした取り組みを試行錯誤しながら実施していくことが健康経営の実践なのです。
 
ここで強調したい点は、旗振り役の指名、会社全体のコミュニケーション、具体策の実行と検証の継続、これらをしっかりと実施していくことが会社の経営的な成功・成長につながります。
 

社員の健康状況の確認からスタート

健康経営のスタートラインは、全社員の健康状況の把握です。定期的に健康診断を実施し受診率を高めなければ十分なデータは確保できません。
そこで、社長や人事総務のご担当は、休暇制度の整備や医療機関との調整などを行い、健康診断を会社の行事として制度化してはいかがでしょうか。そして、診断結果を管理して再検査や経過観察が必要な社員への指導を必ず行いましょう。
 
一説には、脳梗塞などで倒れた人の3人に2人は病院に行ったことがないとか。こんな調査結果もあるくらい健康管理は疎かになりがちです。
健康経営は、社員個人に任せるのではなく、積極的に会社として関与する。このようなトップの姿勢が会社の持続的な成長には欠かせないのです。

 中小企業診断士 アンドウ・ユタカ 執筆者紹介

 中小企業診断士 アンドウ・ユタカ

資金調達や財務分析に長年取り組んできた経験を生かし、「経営で生じた会計・ファイナンスの疑問点をシンプルにわかりやすく解説すること」をモットーに、企業内診断士として活動しています。

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