比較する相手を知ろう
2015年08月20日
前回から経営者にとっての必須能力「計数管理」に関するお話を始めています。
前回の内容は、計数管理の基礎知識として「比較」について説明しました。
「増減率」「差額」「トレンド」という3つの比較の方法をご紹介しましたね。
今回は「比較」についてもう少し付け加えていきたいと思います。
比較の対象
ある計数を評価する際には、何か比較する相手がないと判断が難しいとお話ししました。
今回はその比較の相手についてです。
比較する相手は、大きく「同種の数値」と「異種の数値」に分けられます。
例えば「今期の売上高」と「前期の売上高」を比較し増減率や増減額を評価する場合は「同種の数値の比較」ですが、「経常利益」と「売上高」とを比べて、売上高経常利益率(経常利益÷売上高)を評価する場合は「異種の数値の比較」といえます。
まずは同種の数値から行きましょう。
同種の数値を比較する
1.時系列値で比較
例として出した今期と前期の比較です。前期比、前年同期比、基準年比較などがあります。
基準年比較とは、ある基準年の数値を100とし各年を指数で表すことを言います。
2.同業他社の値と比較
文字通り競合する他社等との比較です。自社のポジションを知るための重要な指標の一つです。
3.平均値・標準値と比較
例えば業界平均、業界標準などです。それらと比べて自社の数値はどうかを判断することになります。ただ注意しなければならないのは、その平均値・標準値の素性です。例えばその平均値・標準値は正常な経済状況における数値なのか、あるいは異常な状況下の数値なのかといったことです。それによって判断が大きく変わってしまうので注意が必要です。
4.理想値と比較
平均値・標準値よりも更に理想的な数値と比較します。
5.目標値と比較
例えば売上の目標値が分かり易いと思います。達成すべき目標値と比較することで、進捗度を把握し、未達の場合は対応策を取るなどに使います。
いかがですか、取り上げている数値はどれもお馴染みの数値ですから難しいことはないと思います。
では、次に異種の数値に行きましょう。