印刷費の経費削減を考える
2015年11月05日
最小単位毎に、「何に・いくら」かかるのか徹底調査
年間の印刷費は約500万円でした。
まずは外注から調査を始めます。1枚あたりいくらで頼んでいるのかを把握できていなかったからです。調べた結果、カラーコピーは1枚あたり24.8円でした。10ページのカラー資料で1部248円です。街にある出力センターでカラーコピーをすると1枚40円程度なので、それに比べれば安いかもしれません。しかし、これをなんとかできないかと考えた訳です。
次に調べたのはコピーです、これも1枚いくらかかっているかを調べます。1枚あたり印刷費7.6円、紙代が0.46円で、A4カラー1枚あたり8.06円でした。この単価なら外注分を内製化する事で印刷費低減の可能性が充分にあります。ただし、内製化する事で作業の手間が発生するようであれば、その人件費も考慮する必要があります。
次に、現場レベルの作業工数を増やさずに実行可能な方法の検討が必要になりました。24.8円で外注する際に付帯していた無料サービスに「ホチキス留め」があり、殆どの印刷物でこのサービスを利用していました。この作業負担をなんとかしないと、内製化した際に、全ての印刷物について、誰かがホチキス留めをしなくてはなりません。その分の人件費を考えるとコストは低減に至らない可能性があります。
そこで、設備投資検討し、ホチキス留めを自動化する機材をいれた場合のシミュレ-ションを行います。印刷を内製化し、ホチキス留めは機会化をした場合、コストがどうなるかを計算していきます。機材は40万円弱でした。
そこで【①A4用紙1枚あたり24.8円×年間印刷枚数】、【②8.06円×年間印刷枚数+40万円】の2つの手法を比較します。
印刷枚数が何枚を超えたら②の方が得になるか、そして年間印刷枚数(外注数)の見込みはどのくらいかを計算すれば、実行すべきか否かがわかります。
シミュレーションによる効果検証
方程式を組んで計算してみます。
24.8円×X>8.06円×X+400,000円です。X=23,894.8となり23,895枚以上印刷したタイミングで②の方が優位となります。
また設備を4年でリースした場合の負担を年間約10万円で計算すると5973.7となり、5974枚以上の印刷で②の方が有利になります。
セミナー開催時の資料が、外注に出していた印刷費の中心でしたが、開催回数が不安定だった為、年間印刷枚数は、はっきりとは見えていませんでした。ですが、年間500万円かかっている印刷費全体に対し、確実に費用低減効果があると判断し、投資を決断します。
地道に調査し、詳細を把握したことで、経費削減の目途が立ったのです。
そこで早速、実行に移そうとしたのですが、その直前に新たな事実が判明し、更に劇的に価格を下げる方法が発見されたのです。
次回は、劇的な費用低減につながった内容をご紹介させて頂きます。