ビジネスモデルを描いてみよう
2015年11月09日
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以前お話しした「事業のグランドデザイン」、覚えておられますか。
グランドデザインなどと大げさな言い方をしましたが、要は起業の初期段階で事業化の可能性があるアイデアを発想すること。ポイントは「誰に」「何を」「どのように」「いくらで」提供するのかを出来るだけ具体的に考えることでした。
今回はさらに進んで、グランドデザインを「ビジネスモデル」に落とし込むことについてお話ししましょう。
ビジネスモデルを描く
「誰に」「何を」「どのように」「いくらで」提供するのかアイデアが固まったところで次に取り組むのが、ビジネスモデルを描くことです。これはグランドデザインで考えたことをさらに具体的にしていくプロセスです。
ビジネスモデルにはいくつかの基本パターンがあります。ご紹介しましょう。
【製造販売のモデル】
自社で製品を製造し顧客に販売するモデルです。普通に考えても下図のようなパターンが考えられます。
もちろん種類はこれだけではありません。例えば、自社で製造を行わない製造販売のモデルもあります。いわゆるファブレスと言われる製造販売業のモデルです。
【サービスのモデル】
これはホテルや美容室などのように サービスを顧客に提供するモデルです。
図式にするとシンプルですが、どこでサービスを提供するのか、いつ提供するのかなどにより、その内容は一様ではありません。製造販売のファブレスのように従来には無いユニークなモデルも考えられるかもしれません。
【仕入販売のモデル】
いわゆる卸業や小売業のモデルです。先に製造販売でお示ししたモデル図を参考にしてください。
【広告のモデル】
典型的な業態は民放TV局です。インターネット上の広告収入で運営されている企業もこのモデルですね。モデル図は以下のようになるでしょう
【仲介のモデル】
不動産の仲介業や人材の紹介業などがこのモデルの典型です。
人材派遣をモデル図にすればこのようになると思います。
他にもあるかもしれませんが、以上をビジネスモデルの基本的パターンとしてご紹介しました。
では、基本パターンを参考に、皆さんの考えたグランドデザインをビジネスモデルにしてみてください。その際は上記のように図式化してみることをお勧めします。
ポイントは、ビジネスに関係する人や会社をもれなく登場させること。上記の図ではシンプルに表記していますが、実際はターゲットとするお客様の設定、登場人物や会社各々の役回り、製品・商品・サービスの価格設定、お客様とのコミュニケーションの方法、仕入先等との取引条件、対象とする商圏、自社の立地など、様々な条件を盛り込んでビジネスモデルを考えてみましょう。
注意点は、あまり既成概念に囚われすぎないことです。先に例として挙げた、製品を自社で製造しない製造販売業、いわゆるファブレスなどのようなモデルは、既成概念に囚われていては生まれなかったビジネスモデルと言えます。
いかがですか、だんだんビジネスが現実味を帯びてきたのではないでしょうか。
次回は、ビジネスモデルと関係の深いマーケティングについてお話します。