ニッチにビジネスチャンスあり!
2015年11月16日
「先行型」、「遅行型」のニッチ
では、残った導入期、衰退期において、どういった戦略があるのでしょうか。
「中小企業診断士 竹内幸次 経営ブログ」(http://blog.goo.ne.jp/2300062)は、中小企業のIT活用やマーケティングに関するノウハウが満載です。
こちらのブログで時折取り上げているのが、「先行型ニッチ」と「遅行型ニッチ」です。これはニッチ戦略において非常に参考になる考え方なので、今回ご紹介します。
私なりの解釈を加えて解説しますと、
①先行型ニッチは、先端的な技術やデザイン、独特な感性を活用して、導入期、それも出始めの状態でリーダーに先んじて商品・サービスを提供する戦略です。
例えば、ウェラブルコンピュータ、スマホの新たなアプリ提供、LINEスタンプなどの新サービスでしょうか。
②遅行型ニッチは、衰退期を迎え、旬を過ぎて利益も出ない状態で、既にリーダーが撤退した市場においても使い続ける理由を持つ顧客に対して、そのニーズを十分理解した上で他社に真似ができない独自の商品・サービスを提供する戦略です。
例えば、ガラケー、Windows XPの専門ショップ、レコード針などのマニア向け、ワープロなどの生産中止品のメンテナンス等々。製品寿命が短いスマホで言えば、FacebookやTwitterに関するサービスもここに分類されるかもしれません。
時間軸からのニッチのまとめ
今回は、時間軸からニッチを整理しました。
貴社の商品・サービスは製品寿命のどのフェーズに当てはまりますでしょうか?
売上が良くても利益が上がっていない場合、そんな時は、ニッチを目指して商品を見直し、「先行型」「遅行型」を目指すことも一つの戦略です。
商品やビジネスを製品寿命の観点から見るクセが出来ると、遅行型ニッチの中にも、細部から「遅行の中の先行」的なニーズに気付くかもしれません。そんなところにこそ、ビジネスチャンスはあるのです。
最後に、手術用の縫合針などの医療機器を製造するマニー株式会社のホームページ(http://www.mani.co.jp/company/company9.html)から、「社長あいさつ」に掲載された一文を紹介させていただきます。「我が目指す道はニッチ」という想いが伝わると思います。
『以下のトレードオフ(やらないこと)を明確にして、戦略立案の基準にしております。
(1)医療機器以外扱わない
(2)世界一の品質以外は目指さない
(3)製品寿命の短い製品は扱わない
(4)ニッチ市場以外に参入しない
上記のトレードオフを守ることで、長期的な安定成長を目指しております。』
このように自社のスタンスを明確することは、企業理念や経営方針を具体化し、従業員や取引先と共有する意味でも良いヒントになります。