印刷経費劇的削減の成功例はこれだ!
2015年11月19日
設備投資分は回収できるのか?
ここまでの結果を総合して、20ページもので最終料金をシミュレーションしてみます。
①これまでのやり方(外注)
24.8円×20ページ+ホチキスサービス=1部496円
②設備投資せずに内製化
8・06円×20ページ+ホチキス代0.3円(+ホチキス作業時間)=1部161.5円+α(作業)
③設備投資あり内製化
7.60円×(20ページ÷2)+1.28×10枚+ホチキス代0.6円(やや割り高な芯)=89.4円
比べてみてどうでしょう。
③は圧倒的に安くなりました。②は手数を別途計算しなければいけないので単純に比較できませんが、①と③を比較すると1部あたり約406円の差額がでます。40万円の設備投資を考えると985部印刷すれば元がとれます。
この改善後、セミナー開催数が増加していったこの会社では、1回約120部印刷するセミナーを半期に7回、年で14回程度開催していました。年間約1,700部の印刷を行っています。
このペースなら単純に1,000部印刷したところで設備投資分はカバーでき、その後700部の印刷にかかる700部×400円の約210万円分はコスト削減になり、そのまま増益分になります。
どんな成果があがったか?
この会社は、以前申し上げたように売上5億円で1,000万の赤字でした。
この印刷費の削減だけで210万円の改善です。実際には、その効果は300万円まで達し、赤字額の3割を印刷費改善による効果で解消しました。大きなインパクトです。
さらに設備の40万円は4年リースにしたので、当年にかかったのは10万円前後で、インパクトは更に高まっています。
副産物として、これまで印刷を外注していた際の入稿の締め時間の規制がなくなりました。その結果、原稿作成者は細かい修正を時間ギリギリまでできるようになり、制作物の質もあがりました。
さて2回にわたり書いてまいりましたが、経費削減のポイントは、
①対象を絞り込み、費用のかかり方、仕組みの詳細を掘り下げて分析する
②質を落とさずに改善可能な方法を調べ尽くす
の2つです。
今回の事例は大きな成果がでた例ですが、こういったアクションを細かく積み上げて利益のでる体質作りにつなげていくのが1番です。是非皆さんも挑戦してみてください。