売れる仕組みづくり『マーケティング』
2016年01月06日
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前回は、「グランドデザインをビジネスモデルに落とし込むこと」についてお話ししました。
共通する考え方は「誰に」「何を」「どのように」「いくらで」提供するのか、でしたね。
では、マーケティングでは何をするのでしょうか。
マーケティングは、ビジネスモデルを考える際に具体的となった「顧客」に対して「何を」「どのように」「いくらで」提供するかを、より詳細に決めていくステージです。
グランドデザイン、ビジネスモデルと同様に、マーケティングにおいても「誰に」「何を」「どのように」「いくらで」提供するかが基本の考え方となります。
マーケティングと営業
マーケティングそのものに対する説明に入る前に、マーケティングと営業の違いについて触れておきましょう。
どちらも製品やサービスをお客様に販売することに係る考え方ですが、次のような違いがあります。
営 業 : 顧客に製品やサービスを販売する活動
マーケティング: 顧客が製品やサービスを購入する仕組みづくり
つまり営業は顧客に対して直接働きかけ購買行動を起こさせることがその機能ですが、マーケティングは顧客が自発的に購買行動を起こすよう仕向ける「売れる仕組みづくり」なのです。
もちろん営業活動は重要で、特に起業したての段階では必須の活動と言えます。とは言え、ただやみくもに営業を行うのは得策ではありません。やはりマーケティングと併用することでその効果が倍増するのです。
マーケティングの基本
マーケティングでは「何を」「どのように」「いくらで」提供するか、より詳細に決めていき、「売れる仕組みづくり」をすることになります。
その基本的なプロセスは次のような5つのステップで成り立っています。
1.顧客ニーズを探る
ビジネスモデルを固める段階で、対象となる顧客についてはある程度明確になっています。
また、どのようなニーズを持っているかについてもおおよそ想定はできているでしょう。マーケティングではその点をもう少し掘り下げて、顧客が何を欲しているのかをより具体的に探ります。
大企業であればコストをかけてマーケットリサーチを行うところですが、これから起業する人には無理な話ですね。
とはいっても全く手がないわけではありません。
例えば「自分の友人知人を対象としたアンケートを実施してみる」くらいなら十分可能ですし、お金もそれほどかかりません。もう少し頑張って「街頭でアンケートを集めてみる」なども可能ですね。
母数はそれほど多くなくとも顧客のニーズを探る上では有効な手段です。いずれにしても何らかの方法で対象とする顧客のニーズは探るようにしましょう。
2.製品・サービスに魅力をつける
顧客のニーズにあたりがついたら、そのニーズを満たす製品・サービスを作り出します。
ここで気を付けるべきことは、あれもこれもと欲張らないことです。思い切って1つか2つに絞り込みましょう。
1つか2つのニーズに絞り込み、徹底的にその満足度を上げることで、差別化を図ります。