お客様目線の店作りをしよう
2016年01月14日
■売場を、お客様の「視野」に収める
売場を「お客様の視野」におさめる為には、売場と、お客様の間の距離が重要です。その距離は什器やゴンドラの幅(お客様に見て欲しい範囲)から逆算をしていきます。
この計算に使うのが昔、学校で使った三角形の辺の長さの求め方です。45度・45度・90度の三角形の辺の比率は①1:1:√2(1.41421356)「ひとよ、ひとよに、ひとみごろ」です。30度、60度、90度ならば、②1:2:√3(1.7320508)「ひとなみに、おごれや」です。実に懐かしく感じる数式ですが、これを使って計算をします。
商品を展開する什器の横幅が3尺(900㎜)だとすると、幅900を三角形の底辺にとりますので、式は①を使いますので、1:√2=900:Xです。
X=900×√2=636mmとなります。ななめの目線は636mmの距離となります。
しかし正面からの距離がわからないと、売場は作りにくいため、もう少し踏み込みます。
今度は三角形を半分に切ります。今度は②の式を使うと、1:√2=X:636=450となります。什器から450mmの距離がとれていれば、お客様の90度の視界が確保できます。
つまり、什器幅のちょうど「半分」離れた距離を取れば、お客様は什器全体を視野に収める事ができるわけです。
■売場をチェックしてお客様目線のお店へ
お客様がいる場所と、商品までの距離によって商品が「よく見える」か、否かが変わるという事は、什器周辺の通路幅との深い関係が浮かび上がります。
よく通路幅は、お客様がすれちがえるか、ベビーカーがすれちがえるか、といった事が重要視されます。
しかしそれだけでは売れるお店にはなりません。アピールしたい商品が「よく見える」適切な距離が確保できているかどうかが重要になります。
視界に入らないという事は、気が付かずに素通りされてしまう確率があがり、売上はあがりません。そうならないためには、実際に入り口からお店に入り、順番に歩いて見てください。
商品との距離が遠すぎればよく見えません。そのため店頭に細かいものを置くと遠方からは、わかりにくくなります。
入り口先頭に置く商品は、お客様との距離感を考えて検討すると効果的です。一般的には大きなものを置くのがセオリーです。
更にお店の中に進んで下さい。近すぎて商品(一緒に比較検討する商品群のこと)がよく見えない場所をチェックしていきます。
お店をすみずみまで歩いてみて、それぞれの商品がよく見えるように調整をしていきましょう。
こういった細かいチェックでお店はお客様目線の、「見やすく、わかりやすく、買いやすく」なっていきます。
一度に店全体をやらなくても大丈夫です。是非試してみてください。