小規模企業共済のススメ
2016年07月28日
(4)契約者貸付制度
いくら掛金全額が所得控除の対象になったとしてももらえるのは基本的には退職時。
結局資金が固定化されてしまうから不安、という方もいらっしゃるかもしれませんが、納付した掛金の範囲内で、事業資金の貸付も受けられます。
(5)共済金について
最後に結局いくら受け取れるか(出口)も重要ですよね。
受け取る共済金は請求事由によって、掛金納付月数と掛金が同じでも受け取れる共済金が異なり、「共済金A」「共済金B」「準共済金」と3種類あります。
①請求事由
まずはその請求事由を見ていきましょう。
【個人事業主の場合】
•共済金A
個人事業を廃業した場合
共済契約者が亡くなった場合
•共済金B
老齢給付(共済に加入して15年以上掛金を払い込み、かつ満65歳以上の方が仕事を続けたまま共済金を請求する場合)
•準共済金
配偶者または子に事業の全部を譲渡した場合(※1)
個人事業を法人成りし、その法人の役員にならなかった場合(※2)
個人事業を法人成りし、その法人の役員になったが、その法人が小規模企業でなかった場合(※2)
個人事業を金銭以外の出資により法人成りし、その法人の役員にならなかった場合(※3)
個人事業を金銭以外の出資により法人成りし、その法人の役員になったが、その法人が小規模企業でなかった場合(※3)
【法人(会社など)の役員の場合】
•共済金A
法人を解散した場合
•共済金B
病気や怪我により法人の役員を退任した場合
満65歳以上で法人の役員を退任した場合(※4)
共済契約者が亡くなった場合
老齢給付(共済に加入して15年以上掛金を払い込み、かつ満65歳以上の方が仕事を続けたまま共済金を請求する場合)
•準共済金
任意または任期満了で法人の役員を退任した場合
【共同経営者の場合】
•共済金A
個人事業主の廃業に伴い、共同経営者を退任した場合
病気や怪我により共同経営者を退任した場合
共済契約者が亡くなった場合
•共済金B
老齢給付(共済に加入して15年以上掛金を払い込み、かつ満65歳以上の方が仕事を続けたまま共済金を請求する場合)
•準共済金
個人事業主が配偶者または子に事業の全部を譲渡したことに伴い、共同経営者が配偶者または子に事業(共同経営者の地位)を全部譲渡した場合(※5)
個人事業主が事業を法人成りし、共同経営者がその法人の役員にならなかった場合
個人事業主が事業を法人成りし、共同経営者がその法人の役員になったが、その法人が小規模企業でなかった場合
※1 事由発生日が平成28年3月以前の場合に限ります。事由発生日が平成28年4月以降の場合は、「個人事業を廃業した場合」として共済金Aを受け取れます。
※2 平成23年1月以降に加入(平成23年1月以降に請求事由が発生し、掛金納付月数の通算手続きを行った場合も含む)した共済契約者に限ります。
※3 平成22年12月末以前に加入(平成23年1月以降に請求事由が発生し、掛金納付月数の通算手続きを行った場合は除く)した共済契約者に限ります。
※4 事由発生日が平成28年4月以降の場合に限ります。
※5 事由発生日が平成28年3月以前の場合に限ります。事由発生日が平成28年4月以降の場合は、「個人事業主の廃業に伴い、共同経営者を退任した場合」として共済金Aを受け取れます。
上記以外の場合は共済契約の解約となり、「解約手当金」を受け取れます。解約手当金は掛金納付月数が240ヶ月(20年)未満では、掛金残高を下回ります。
[補足事項]
掛金納付月数が6ヶ月未満の場合、共済金A、共済金Bは受け取れません。また、掛金納付月数が12ヶ月未満の場合、準共済金や解約手当金は受け取れません(中小機構HPより)。
また、個人事業主が個人事業を法人成りして、その法人の役員に就任した場合、共済金の支給を受けずに、掛金納付月数の通算をしてそのまま共済契約を継続することができます。