介護離職で優秀な人材を失わないために
2016年09月02日
介護のための深夜業の制限
要介護状態にある対象家族を介護する労働者がその家族を介護するために請求した場合には、事業主は午後10時~午前5時(深夜)において労働させてはならない。
≪対象労働者≫
①要介護状態にある対象家族を介護する労働者
②対象外にできる労働者
・日々雇用される労働者
・雇用期間が1年未満の労働者
・介護ができる、次のいずれにも該当する16歳以上の同居の家族がいる労働者
(1)深夜に就労していないこと(深夜の就労日数が1か月につき3日以下の者を含む)
(2)負傷、疾病又は心身の障害により介護が困難でないこと
(3)産前6週間(多胎妊婦の場合14週間)、産後8週間以内の者でないこと
・1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
・所定労働時間の全部が深夜にある労働者
≪期間≫
1回の請求につき、1か月以上6か月以内の期間
≪回数≫
請求できる回数に制限なし
介護のための所定労働時間短縮等の措置
事業主は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者に関して、対象家族1人につき、以下のうちいずれかの措置を選択して講じなければならないとされています。
①所定労働時間の短縮措置
②フレックスタイム制度
③始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ(時差出勤の制度)
④労働者が利用する介護サービス費用の助成その他これに準じる制度
≪対象労働者≫
①労働者(日々雇用を除く)
②労使協定により対象外にできる労働者
・雇用期間が1年未満の労働者
・1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
≪期間≫
介護休業とは別に、利用開始から3年の間で2回以上の利用が可能
≪回数≫
対象家族1人につき、要介護状態ごとに1回
介護のための所定外労働の制限(残業の免除)
介護のための所定外労働の制限(残業の免除)について、対象家族1人につき、介護の必要がなくなるまで残業の免除が受けられる制度が新設されました。
以上、改正後の介護休業制度についてご説明してきました。
休業期間中は、介護休業給付金(賃金の67%相当額)を受け取ることもできます。
労働力人口が減少するなか、優秀な人材の確保・育成・定着につながるよう企業としましても、「仕事と介護を両立しやすい職場環境づくり」への関心を高めていただけたらと思います。