来年から育児休業法はどう変わる?
2016年11月11日
マタハラ・パタハラなどの防止措置の新設
事業主による「妊娠・出産、育児休業、介護休業等を理由とする不利益取扱い禁止」に加え、上司・同僚からの妊娠・出産、育児休業、介護休業等を理由とする嫌がらせ等(いわゆるマタハラ、パタハラ等)を防止する措置を講じることが事業主へ新たに義務付けられます。
また、派遣労働者の派遣先についても、事業主とみなして上記の規定が適用されることとなります。
たとえば、休業等の利用を阻害する言動があった場合、事業主として申請を拒否すれば、そもそも休業等の利用ができる旨を規定した各法違反として取り扱われます。上司等の個人的見解に基づく言動の場合は、上司については1回でもハラスメントとして認定、同僚等は繰り返し継続して行われる場合に認定されます。
※妊娠・出産・育児休業等を理由とする事由(主なもの)
妊娠中・産後の女性労働者の
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①妊娠、出産 ②妊婦検診などの母性健康管理措置 ③産前・産後休業
④簡易な業務への転換 ⑤つわり、切迫流産などで仕事ができない、労働能力が低下した
⑥育児時間 ⑦時間外労働、休日労働、深夜残業をしない
子どもを持つ労働者の
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①育児休業 ②育児のための所定労働時間の短縮措置(短時間勤務) ③子の看護休暇
④時間外労働、深夜残業をしない
※不利益取扱いとは・・・
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①解雇 ②雇止め ③契約更新回数の引き下げ
④退職や非正規社員への契約内容変更の強要 ⑤降格 ⑥減給
⑦賞与等における不利益な算定 ⑧不利益な配置変更 ⑨不利益な自宅待機命令
⑩昇進・昇格の人事考課で不利益な評価を行う
⑪仕事をさせない、もっぱら雑務をさせるなど 就業環境を害する行為をする
以上、育児休業法の改正についてご説明してきました。
仕事と家庭の両立しやすい職場づくりは、企業にとっても優秀な人材の確保・育成・定着につながるなどのメリットがあるものです。使用者と労働者の皆様で話し合って、職場における仕事と家庭の両立のための制度とその制度を利用しやすい環境づくりを進めていただけたらと思います。