社長の必須能力「リーダーシップ」のタイプを知る
2014年11月20日
観察の結果、専制的タイプは、短期的には高い生産性をメンバーに与えることができましたが、長期的にはメンバーの反感が高まり生産性を落としました。実際、創業社長の中に時々このタイプを見かけることがあります。
自由放任タイプは、メンバー間にまったく一体感もなくモラールが低く、生産性も上がりませんでした。このタイプをリーダーシップの型としてみること自体に疑問が残りますが、実際の組織の中では、このタイプの管理職はよく見かけます。
民主的タイプは、短期的には生産性が上がらないものの、長期においては3つのタイプのうち最も高い生産性をもたらしたそうです。
この研究の切り口は、「専制的な行動を取るリーダー」と「民主的な行動を取るリーダー」といえます。そして短期的な成果は専制的リーダーに分があり、長期的な成果は民主的リーダーが勝るということになります。
他にもハルピンのオハイオ実験、リッカートのミシガン研究、三隅二不二のPM理論、ハーシー&ブランチャードのSL理論などがありますので、興味のある方は調べていただければと思いますが、これらの研究に共通する基本的な切り口は、「パフォーマンスを重視するリーダー」と「メンバーとの関係性を重視するリーダー」というものであり、アイオワ実験の切り口である「専制的か民主的か」がベースになっていることは明らかです。
またその特徴も「パフォーマンス重視型」は短期的な成果を上げるに適しており、「関係性重視型」は長期的な成果をもたらす、とほぼ同様です。
理論と実際
先に例として出した3人の英雄をリーダーシップタイプに当てはめれば、織田信長は専制的でパフォーマンス重視型、豊臣秀吉は関係性重視型、徳川家康も関係性重視型と言えるでしょう。
ただしいずれの英雄も単純に一つのタイプで説明しきれない面があることを忘れてはいけません。専制的で独裁的な織田信長ですが、同時に家臣に対する細やかな配慮もあったといわれていますし、優秀な部下には権限と責任を与えて仕事をさせています。また関係性の築き方に関しても豊臣秀吉と徳川家康とでは大きく違うことも見逃してはいけない点です。
他にも過去の優れたリーダー達を見れば、みなリーダーシップタイプの両面を併せ持ち、人によりその濃淡・強弱はあるものの、それぞれのやり方で状況に合わせ使い分けていたということがわかります。
最近のリーダーシップ理論においても、状況によりリーダーシップタイプは使い分けることが重要であると言われています。
では実際に我々は自身のリーダーシップを考えるうえで何をしたらよいのでしょう。
次回はその点についてお話しします。