固定費と変動費に分けて考える損得判断
2014年12月01日
損得学のススメ(3)です。
損得学は、「儲け(=利益)」の意思決定ツールですが、より多くの利益を計上するためには、売上を増やすか、費用を減らすかのどちらしかありません。
今回は、費用を減らすという視点から「固定費」と「変動費」に分けて損得判断を考えてみます。
固定費・変動費と聞くと、製造業の現場で原価計算を担当している方や管理会計を学ばれた方にとってはなじみのある言葉だと思います。
管理会計の視点から簡単に解説させていただくと、変動費は、売上に比例して増減する費用、固定費は、売上の大きさに関係なく一定の額だけかかる費用ということになります。
代表的な固定費は、人件費や経費があり、代表的な変動費は、生産量によって増減する材料費、外注費があります。この経費には、社屋の家賃や水道光熱費、広告宣伝費、交際費、事務消耗品代などが含まれます。
経費は、固定費としましたが、実は、これが曲者で、売上に比例しないという点では固定費なのですが、経費で使ったものの中で量や時間に比例して増減する変動費的な費用もあるのです。
今回はそういう費用にまつわるケースに注目していくつかの例題を見てみましょう。
【例題1】
凸凹テックは、A市に営業所を開設することとし、その準備のため、営業部のウラノ君は、オフィスを借りました。このオフィスは極めて短期間の使用と見込んでいるのですが、仕事上コピーをとることが多く、コピー機をリースするかどうか悩んでいます。
以下の2ケースが想定されますが、どちらを選択すべきでしょうか。
【考え方】
ケース1は、全て変動費になります。
ケース2、これは、月額リース代の30,000円、この部分が固定費、1枚当たり2円のコスト、これが変動費になります。
図表で見ると一目瞭然。3,750枚あたりから左の部分ではケース2の方が割高ですが、右の部分になるとケース1が割高になってしまいます。この交点を優劣分岐点といいます。
コピー機のリースを導入するかどうかは、使用見込み枚数を精査した上で意思決定することが大切だということを認識いただけたと思います。
では、同じようなケースからもうひとつ例題を見てみましょう。