固定費と変動費に分けて考える損得判断

2014年12月01日

【例題2】

A市は風光明媚で温泉でも有名な場所です。凸凹テックのタカギ社長は、総務のイブシ君を運転手に有志8人でレンタカーを使って旅行に行くことになりました。

そこで、新日本と全日本の2社に当たってみたところ、次の賃借料が提示されましした。

この旅行では大型レンタカー1台が必要で、走行距離を80kmと見込んでいますが、新日本、全日本のどちらから借りた方が得ですか?

 

損得学Vol.3図③

 

【考え方】

新日本、全日本、どちらのケースも固定料金(固定費)がかかります。さらに走行距離の応じた料金(変動費)が加算され賃借料が決定します。

今回は走行距離を80kmと見込んでいますので、2案を計算すると新日本4600円、全日本4,400円となります。回答は、全日本から借りた方が得となります。

ちなみに今回は100km、5,000円が優劣分岐点になります。この点から走行距離が長いか短いかによって、どちらのレンタカー会社を選択することが有利かの意思決定について、認識いただけたと思います。

 

損得学Vol.3図④

 

これらの例題から、2案を比較するとき、固定費と変動費で構成されているのであれば、意思決定のポイントは優劣分岐点にあるということが理解していただけたでしょうか。

 

次回は、同じくレンタカーの問題を使って、後々事情に変化が生じることで意思決定にどのような影響があるのか検証することで、優劣分岐点の考え方をさらに深めていきたいと思います。

 中小企業診断士 アンドウ・ユタカ 執筆者紹介

 中小企業診断士 アンドウ・ユタカ

資金調達や財務分析に長年取り組んできた経験を生かし、「経営で生じた会計・ファイナンスの疑問点をシンプルにわかりやすく解説すること」をモットーに、企業内診断士として活動しています。

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