あらためて社長の仕事とはなにかを考える
2014年12月15日
社長の仕事シリーズ(7)経営①
これまで「社長の仕事」というシリーズで「資金繰り」「事業承継」「リーダーシップ」と寄稿してきました。どれも日ごろから重要と思うテーマを取り上げたので、ぜひ参考にしていただければと思っています。ただ正直なところ、いきなり各論から始めてしまった感も否めません。
そこで、「社長の仕事とは何か」というそもそも論を一度お話ししておかねばならないと思いたち今回のテーマとすることにしました。
少し教科書的になってしまうかもしれませんが、お付き合い願えればと思います。
社長の仕事は「経営」である
言うまでもなく社長は経営者ですから、社長の仕事が経営であることに間違いはありません。
分かりきったことを言うなと思われるかもしれませんね。
では改めて、経営とは何かと問われて説明することができるでしょうか?
社長として会社を率い実践の場に身を置いておられる方なら、経営がなんたるものか基本的に理解していて当然かもしれません。しかし実際に話を聞くと、断片的には素晴らしい本質をとらえた答えを聞けても、全体として明確で整理された答えは返ってこないことも多いのです。あまりにも毎日の身近なことだけに、あらためて考えるということもないのかもしれません。
いつも言うことですが、ビジネスは学問ではないので、学術的に経営とは何かを追い求める必要はありません。
一方でビジネスを「勘」と「経験」と「度胸」(いわゆるKKD)だけでやるのもリスキーなことです。もちろんKKDがいけない、価値がないと言っているわけではありません。実践の場を通じて身につけたKKDは、得難い価値ある資産です。であるからこそ、それをきちんと整理し自分自身の経営とは何かを認識する価値があるのです。
経営とは何かを改めて考えることは、変化に富んだ環境に対処し会社を運営していくためには必要なことなのです。
「経営」の定義
経営とは何かについて、私は次のように定義しています。
「経営とは、会社を管理運営し一定の目的を達成すること」
シンプルな定義ですが、ここに経営に関する3つの要素が含まれています。
1. 経営の対象は「会社」である。
2. 経営は「目的」を達成するためにある。
3. 経営は「管理運営」することである。
つまり経営とは何かを考えるということは、これら3つの要素について考えるということだと考えています。