平成27年度補正予算関連の補助金に注目

平成27年度補正予算案が2015年12月18日に閣議決定されました。2016年1月からの国会で予算案の審議が進められます。
 
中小企業向け補助金関連の主なテーマについては下表のとおりです。
 
例年の流れからは、衆参両院で可決された直後、早ければ1月下旬~2月初旬にもすぐに実施に移される見込みです。
 
補助金公募のタイミングは概ね計画されているもので、仮に審議が長引いた場合でも、法案の成立を待たずにフライング気味に公募日程が発表されることさえあります(もちろん、実施されるためには法案通過が大前提です)。
一方「平成27年度」といっても、補正予算の場合は実質的に翌年度にかけて実施されるものなので、今年について言えば、追加募集などを加えると2016年の年末くらいまで公募が長引く補助金もあります。
 
それぞれ、昨年の公募時期を確認しつつも、それより前倒しして行われることも考慮に入れておくことが重要でしょう。

 
 

補正予算関連の主な項目

テーマ 平成26年度補正 平成27年度補正 備考
ものづくり、商業、サービス革新 「ものづくり補助金」革新性のある商品やサービスに上限1000万円×1万社超(総額1020億円)。

https://www.yenbo.jp/joseikin/1279

https://www.yenbo.jp/joseikin/1873

「ものづくり補助金」支給対象を拡大し、IoT技術導入などの分野も対象となる。複数企業での共同開発が可能となる。総額は前年とほぼ同額の1021億円  
TPP対策 中堅・中小企業の海外展開支援(専門家による実務相談・戦略策定、国内外の展示会・商談会への出展支援、地域資源・サービス開発・販路開拓等、コンテンツ輸出促進)。経産省、農水省など農水関連全体で3000億円。 「新輸出大国コンソーシアム」開始に向けて今後へ継続
消費税対策 消費税転嫁対策窓口相談等37億円 消費税軽減税率で影響を受ける中小・小規模事業者のシステム改修支援に1000億円  
介護離職防止対策 介護施設、小規模保育事業者施設の整備。保育士の修学資金貸付ほか  
東北大震災被災者支援 福島原発事故の周辺地域での商品券発行と帰還者の事業設備投資補助など。大震災復興対策全体で8000億円  
省エネ 「地域工場・中小企業等の省エネ設備導入補助金」省エネのための取り組みまたは導入費用に下限50万円

http://sii.or.jp/

https://www.yenbo.jp/joseikin/1468

https://www.yenbo.jp/joseikin/1467

一部継続 平成28年度本予算と併用
小規模事業者支援 「持続化補助金」経営計画に基づいた販路開拓等に上限50万円

http://h26.jizokukahojokin.info/

https://www.yenbo.jp/joseikin/1339

https://www.yenbo.jp/joseikin/1933

「持続化補助金」100億円 平成28年度本予算と併用へ
創業支援 「創業・第二創業補助金」地域などでの創業チャレンジに上限200万円×約2400件(平成27年度本予算分を含む)

http://sogyo-hojo.jp/

https://www.yenbo.jp/joseikin/1340

平成28年度本予算へ
ふるさと名物応援 「ふるさと名物応援事業補助金」地域の名産物の全国に向けた展開・販路開拓に上限1000万円、同企業グループのプロジェクトに2000万円。海外展開を進める企業グループに上限2000万円ほか。

http://furusato-hojo.jp/

https://www.yenbo.jp/joseikin/1412

https://www.yenbo.jp/joseikin/1302

平成28年度本予算へ

 
 
今回の補正予算(案)の規模は約3.3兆円。税収増および政府の景気対策優先を背景に、前年増となりました。
前回実施されている主な補助金は、全体として踏襲されていると言ってよいでしょう。

 

ここ数年注目されている「ものづくり補助金」については、一昨年に製造業からサービス業を含む「新ものづくり補助金」へと拡充されたことに加え、今回はIoT(インターネットとモノとの融合)技術などを用いた先端的な情報通信分野への拡充、および個別企業だけでなく複数企業による共同開発も対象になっています。
これらに合わせて一部上限の引き上げが行われました。

 

定番化した補助金については補正予算より本予算と併用または本予算の方に組み込まれていく傾向があります。
好評とされていた「持続化補助金」「創業・第二創業補助金」「ふるさと名物応援」は、今回は補正予算だけでなく来年度本予算を中心に手当される見込みです。

 

その他、地方創生、TPP対策、「介護離職」防止など、政府政策に沿って緊急性のあると考えられるものが経済産業省、厚生労働省、外務省、農林水産省など省庁枠として予算化されました。それぞれに対応する補助金の公募が見込まれます。