2-5. 雑所得の記入方法

雑所得「その他」の記入のしかた

確定申告書の記載欄は、第一表の収入金額等欄と所得金額欄、第二表の所得の内訳(源泉徴収税額)欄と雑所得・配当所得・一時所得に関する事項欄です。

下の記入例はA様式を使っています。

 

A様式第二表
 

雑所得が「公的年金等」と「その他」の両方あったら?

雑所得として「公的年金等」と「その他」の所得もある場合はどうなるのでしょうか。
仮に、厚生年金のほかに生命保険契約に基づく年金をもらっているとします。
さらに年金のほかに趣味の演劇鑑賞について原稿を書き、原稿料を受け取っているとします。

 

厚生年金は「公的年金等」ですが、生命保険に基づく年金は「その他」に含まれます。「公的年金等」に関してはすでに説明した通りで同じです。ここでは「その他」について説明します。

 

まず、生命保険規約に基づく年金について考えます。生命保険からの年金として1,500,000円もらっています。

この生命保険の経費に1,300,000円かかったとしたら、生命保険の所得は1,500,000円から1,300,000円を引いた200,000円になります。
原稿料については300,000円で経費には170,000円かかったので、130,000円が所得です。
糸河さんの雑所得「その他」にあたる収入の合計は1,500,000円と300,000円を合わせた1,800,000円、所得の合計は200,000円と130,000円を合わせた330,000円になります。
さらに雑所得「公的年金等」の所得が2,431,597円でしたので、すべての雑所得は、330,000円と2,431,597円を合わせた2,761,597円になります。

 

整理すると以下のようになります。

 

雑所得「その他」
生命保険契約に基づく年金 1,500,000円
年金の必要経費 −1,300,000円
原稿料収入 300,000円(源泉徴収30,000円)
原稿を書くためにかかった経費 −170,000円
その他の雑所得の金額の合計  330,000円
その他の雑所得の収入金額の合計 1,800,000円

 

雑所得「公的年金等」
公的年金等の収入金額 3,608,796円
公的年金等の雑所得の金額 2,431,597円

 

A様式第二表

雑所得(その他)は、自分で収入から必要経費を差し引いた所得金額を④欄に記入することとなっています。
 
☛Point
申告書第二表が改定されています。原稿料等の必要経費を明記したい方は「所得の内訳書」を作成しましょう。